桜がひらひら舞っている。
まさに、何もかもが始まる季節、
春だ。
・・・・・・・・しかし、まさか
こんなことが始まるとは・・・
誰にも予想できなかっただろう。
・・・・・・・と私自身でさえ思っている。
ブロッサム。(仮)
「俺とーーーーーー・・・付き合ってほしいんだ。」
桃色の桜の花びらが散る中、
蒼い綺麗な髪が風に煽られる。
そんな色調高い風景にも
劣らない、彼の瞳は翡翠色で、
なによりも、
すごく整った綺麗な顔をしていた。
しかし、
「・・・・・・・・・・・・・・は?」
私が返した言葉と、
顔はとてつもなく
この場にそぐわないモノだったと、
今でも思う。
そう、告白の中の言葉に
しては、
あまりに酷い。
いや、しかし、仕方ない事だと
皆様にはわかってほしい。
だって・・・
だって・・・・・・・・・・・!!!
「だから・・・俺と付き合ってほしいんだ。」
と頼んでもないのに、
もう一度リピートアフターミィ〜を
する目の前の美少年。
もとい、クラスメイトの
アスラン・ザラだ。
『え?クラスメイト?なら告られても
普通じゃん?』
・・・・・・・そうお思いになる人も
いるかもしれませんが・・・っっ
はっきり言って、
面識などほぼありません!!!
それにそれにっっ!!
この目の前に立っていらっしゃる
方は、
生徒会長でっ!
ザラ財閥の御曹司様で!
学園のアイドルなのです!!
い・・・今だって!
アスラン君が裏庭に来てほしい。
・・・って言ったからここに居る訳だけど・・・っっ
私はてっきり、先生の伝達かと
ばかりに来ましたよっ!?
なのに・・・これって・・・
ハッ!!
は思いついたように、
顔を上げ、
「え・・・えっと・・・
どこにお付き合いすればよろしいのでしょうか?」
そうよ!!
なぁに勘違いしてんだかっ!
アスラン君が言ったのは
「どこかに付き合ってほしい。」
の意よね!
やぁだっ!!
ワタシッたら自意識過剰〜〜!!
「恋人になってほしい・・・・って意味なんだけど。」
ぐはっっ!!!
私の攻撃、カウンターで
返されました!!
しかも、笑顔つき+黒いオーラで
私のHPはつきかけでございます!!
って、ふざけてる場合じゃないよ!
私!!!
・・・・ってか、アスラン君って
こんなひとだったけ?
必要最低限のことしか
話す機会ないからよく解らないけど・・・
とりあえず、
真面目で、優等生・・って
感じだったような。
あ・でも、大人しくないってのは
知ってる。
友達とかと話すときは、
普通に男の子って感じだし。
・・・・・・・・・・・・ってことは・・・
「・・・・・・・・・・・・罰ゲーム?」
と疑問系ではあるが、
確定に満ちた言い方をする。
しかし・・・
「違うって。・・・・・・俺がそんな
遊びで告白できると思う?」
「すみません。」
口元だけが笑っている
表情は怖いです・・・!!
「で?」
「はぃ?」
突然、言われた言葉に
私は、間抜けにも程がある言葉を
返すが・・・・
「『はい』ってことはOK
ってこと?」
「なわけあるかぁぁあっっ!!!!!」
あまりのアスランのセリフに
は思わず素で叫ぶ。
「ぷっ・・・ひどいな、そこまで
否定されると傷つく。」
しかし、余裕が全くないとは
ま逆にアスランは楽しそうに笑う。
そんな彼に、は
訝しげな視線を送った。
(・・・・・・・・こいつ・・・・誰だよ・・・!?)
と。
「・・・・・・・・・・・・あの、すみません、
めんどくさくなりました。なので・・・・・ 腹のうち見せろ。」
にっこり笑う。
こんなは、親友などの
ごく一部しか知らない。
そう、ぶっちゃけ・・・・
私は
猫かぶり。
いや、別に被りたくて被ってる
わけじゃなくてさ。
人見知りが激しいって
だけなのよ。
そこんとこ夜露死苦!(死語)
「お。やっと素になったな。」
「・・・・・・・・・・・・・意味がまったく解りませんよ。」
にっこりとアスランに笑みを返す姿は
先程、きょどっていた少女と同一人物かと
思うほどであった。
「だから・・・」
アスランは一歩一歩、
に近づく。
それに合わせて後退したかった
だったが、ここまで言っておいて・・
と、それはしょうもないプライドが許さない。
しかし、手を腰に回され、
頬と頬をくっつけられた時には
流石のもびくっと体を揺らし、
突き飛ばそうとした・・・が。
やはり、力で敵わなかった。
そして・・・・・
「難攻不落なモノほど、落としたくなるのが
男の性ってものだろ?」
と、小さくの耳元で
囁き・・・・・・・・・・・・
ちゅっ
頬に軽く口付けると、
そっとから離れた。
それに、は呆然と
アスランを見る。
目を見開き・・・
そして、完璧に固まってる。
「・・・っっっ!!!!」
「・・・ははっ・・赤くなった顔も
可愛いな。」
「・・・・・・・・・っっ!!・・・てめぇは
どこのぷれいぼーいだぁああああああっっ!!!!」
「プレイボーイだなんて・・・・・ひどいなぁ。
限定なんだけど?」
やっと、我を取り戻したの
セリフに、アスランはにっこりと笑う。
それは、もう誰もが悶絶する
微笑で。
が。
「うせろっっ!!マジで!!!
私、あんたみたいなタイプだっきらいよ!!!」
「俺は、みたいなタイプ大好きだが?」
「じ・・・じゃんぷ いん あ れぇぇ〜〜〜いいいくっっ!!!!」
「”うせろ”・・・だなんて酷いな。
博識なのはいいが、発音が悪いぞ?正確には『Jump in a lake』だ。」
「っっ!!!!!このブルジョワがっっっ!!!」
「ははっ。羨ましいのならすぐにでも
してあげるけど?」
「はぁっ!?」
「ハンコ一つでOK。ザラ家はゆるいから
花嫁修業とかもいらないし。ってか学生結婚ってのもまた・・・」
「誰がてめぇと結婚するかぁ!!!!!!」
そう、
桜舞う、春。
それは何もかもが始まる季節。
二人の愛と涙と戦いの日々の
火蓋はこうして切られたのだった・・・・
つづく。(嘘です。)
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何だコレ。
・・・・私は・・・ただ・・・
黒アスランが書きたかっただけなのに(涙)
短編なんすけどね。
・・・どうすっかな。
色々抜けちゃってるしなぁ・・。
てか、明後日から大事なテストなのに・・・・
2006/06/25 惶月 奏