桜吹雪、春嵐。
そんな言葉があるように、
今回、私にも
ががーーーんと
ストームが襲ってきてくれちゃいましたよっ
ブロッサム。(仮)X−1
リーンゴーン・・・
リーンゴーン・・・・・・・・
4限目が終わるチャイムが
鳴る。
私はその音を聞くや否や
全力疾走で教室から飛び出た。
アホラン・ズラが、私を呼んだ気がしたが
気のせいだ。
もう・・・これ以上
クラスの女子の禍々しい視線は
受けたくないんですぅぅうううううう!!!!!
しかも、しかもっ!!
あの野郎・・・っ
先生をいい具合に言いくるめ、
席が私の隣になってるし・・・っ
わざと教科書忘れてくるし・・・・っ
あんた、本当に優等生かッッ
っつーの!!
私は、お弁当を胸にしっかり抱いて、
階段を駆け上がる。
屋上で食べれたら
気分が晴れるんだろうけど。
残念ながら、立ち入り禁止だ。
しかーーーしっっ!!
・・・・・・・私はそこに目をつけた(にやり)
立ち入り禁止
↓
入れない
↓
誰もいこうとしない。
↓
屋上近くの階段は誰もいない。
↓
イジメにあわない。
こりゃ、行くしかないでしょう!!!
足取り軽く、駆け上っていくと・・・
おぉ!やっぱり、いないじゃんvv
私は意気揚々と、
一番上の段に腰掛けた。
は、そこで「んーー!」と
思いっきり背伸びをする。
(なんか、落ち着く・・・って
いつからこんな引きこもり体質になったんだ!!!)
無意識に思っていた自分の
考えには多少ダメージを受けた。
・・・・が
カンカンカンカン・・・・
階段を上がってくる音に
思考回路を止め、は頭を上げる。
誰だ・・・?
こんな所に来る人なんか居るはずがない・・・
てことは・・・・・・・・
ヤツかっ!!
とは身構えるが・・・・・
「・・・・・・・・・あ・・」
の存在に気づき、
目を丸めたのは、
でも知ってる有名人。
イザーク・ジュール前会長だった。
綺麗だけど・・・癇癪で有名な。
「・・・・・おまえ・・・」
げげっ!
は焦って立ち上がる。
「ち・・・違います!違います!
わ・・私は屋上に入ろうなんて思っていませんです!!
屋上が立ち入り禁止なのはよくよく存じておりまして!!!」
・・・と目を丸くしているイザークなど目にも入らず、
は、必死で弁解を続けるが・・・・
「くっ」
イザークが吹きだした所で
の必死の言い訳は途切れた。
へ?
わ・・・・
笑ってるよぉ!!
あのイザーク・ジュールがっっ!!!
は思わず立ち尽くした。
「くくくっ・・・誰もそんな事思っていない。
しかも、鍵がなければ入れないしな。」
カンカンカン・・・・
口元を抑えながら、
それは優雅にイザーク様は階段を上って
の横を通り過ぎる。
あぁ・・・
なんか・・・イザーク様・・っって感じ!!
はそんな事を思いながら
銀髪を靡かせながら階段を上がっていくイザークを見詰める。
なんか・・あのアスラン親衛隊の人が
様付けしてた気持ちわかるなぁ。
『目の保養しちゃったぁvv』
とばかりに、は再度その場に座り込むが・・・・
「おい」
「え?」
屋上の出入り口に立っている
イザークがに向かって声を掛ける。
「こんな所で食べるよりも
屋上で食べた方がいいだろう?」
「は?」
「・・・・っ・・だから、来いと言っているんだっ」
イザークは少しイライラした様子で、
屋上の扉に鍵を差し込んだ。
「えっ!?で・・でもでもっ!!
立ち入り禁止じゃ・・・?」
「そうだな。」
いや・・そうだなって・・・・(汗)
旦那・・・。
「なら、共犯だ。」
がさりと、お弁当袋を
イザークは少し上に掲げた。
は一瞬、目を見開いたが
すぐに、にっと笑ってイザークの後を
ついていった。
「うわぁ〜屋上ってこうなってるんですねぇ〜」
は初めて見る屋上からの
風景に口をあんぐりとあける。
「どうだ?気持ちがいいだろう?」
イザークは、まるで自分の物の
ように自慢する。
そんなイザークの意外に
子供じみた言い草には吹きだす。
「ちょっ・・・貴様!!何笑っている!!」
「い・・っいえいえ!!笑ってないです!!」
「笑っているだろうが!!」
「え・・・笑顔は三文の得なんですよっ!!」
「それを言うなら”早起きは”だっっ!!」
「あれ〜そうでしたっけ〜?
あ!早く食べないと、昼休み終わっちゃいますよっ!!」
「ちょっ・・・」
まだ詰め寄りたかったイザークだったが
すでに、お弁当を広げ、食べだしているに
イザークは言う気が失せた。
「・・・・・・・・・・はぁ。」
イザークもの隣に座り
弁当を広げる。
その瞬間、は目を見開いた。
「じ・・・重箱・・・っ」
確か、イザーク前会長は
ジュールグループの御曹子だった気がする・・・・っ
まるでお正月のような
お弁当だ・・・・っ
「何だ?お前も変だと言うのか?」
キッとイザークがを睨む。
どうやら・・・・気にしているらしい。
「へ・・・変じゃないですよっ!?・・・あ・・
もしかして、それを気にして人がいないここで
食べてるんですか?」
「ち・・・ちがぁうっっ!!!俺は
そんなひ弱じゃない!!」
「べ・・・弁当ごときで
怒らないでよっ!」
「うるさいっ!!」
「だけど、嫌なら作るのを断ればいいじゃないですか。
・・・・・てか食べきれないでしょ?」
怒鳴られたにも関わらず、
はきょとんと問いかける。
それに、もちろんイザークは
言い募るが・・・
「だから・・・・っ」
「まぁ、いいですけど。」
ぱくっと、はおかずを
頬張り、さっさと会話を終わらせる。
それに、はぁ。イザークは溜息を吐いた。
「料理長の・・・好意を無下に
する事はできん。」
「え?」
驚いて、振り返ると、
えらそうに腕を組んだ会長がいた。
「いつも腕をふるって作ってくれているんだ。
笑顔で渡されたら断れない。」
「・・・・・・・・・・・・・会長って・・・・意外に
優しいんですね。」
「い・・・意外にっ!?・なんだそれは・・っ
じゃなく・・・・っ優しくなどない!!」
真っ赤になって否定する
前会長は、マジで可愛かった。
「え〜・・・・優しいですよ〜・・・・」
は食べ物を
次々口に運びながら言う。
それに、イザークはぴきっとなる。
「棒読みだっっ!!」
「すみません、大根役者なんで。」
「〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・・きっさまぁぁあああああああああ!!!!!」
しれっと、演技だという事を
認めたにイザークは立ち上がって怒鳴る。
「もうっ!優しくないと言ってみたり、
怒ってみたりっっ!!ドッチナンデスカ!」
ぷくっと頬を膨らますに
イザークも顔を引き攣らせる。
「ここはお前が怒るところなのか!?
そうなのかっ!?違うだろうッ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ・・
会長って面白いですね。」
噂じゃ怖い人って
イメージがあったのに。
とか言いながら
私は、最後に残しておいた
大好きなエビフライを箸ではさむ。
そのセリフに、イザークは水色の
瞳を丸くしたが・・・一瞬のうちに
いつもの真顔に戻る。
「そんな事初めて言われたぞ・・・・
変なヤツだな・・・・・」
と呆れるように言った
イザークの瞳は、
驚くほど優しく微笑んでいた。
も、そんなイザークに
つられて微笑んだが、
二人とも
気づいていない。
ドアの隙間から
冷たい視線を投げかけてくる
人物を。
つづく。(これは本当。)
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ピンポンパンポーン。。
これはアスラン夢でござい。
イザーく夢ではございません。
イザークが輝いているのは
気のせいです。
えぇ!
気のせいに決まってます!!!
あした、試験なのになぁ。
(↑なら何故書いているんだ、私【汗】by更新日の私)
2006/08/28
更新日 2007/05/16 惶月 奏(おうづきかなで)