桜吹雪、春嵐。
そんな言葉があるように、
今回、私にも
ががーーーんと
ストームが襲ってきてくれちゃいましたよっ
ブロッサム。(仮)X−2
チャンチャンチャンチャン〜
チャンチャンチャンチャン〜♪
はスキップ混じりに
着●ありの呪いのテーマを
機嫌よさそうに口ずさみながら、
屋上の君こと、イザークの事を
思い返す。
・・・・イザーク会長、中々いい人だった。
なにより目の保養にもなる!
しかもしかもっっ!!
お弁当の中身分けてくれたし!!
(かなりおいしかった!!)
私のワケアリを察してくれて
いつでも来ていいって言ってくれたしっ♪
やっぱり、人生悪い事だけじゃないのねっ!
と、思惑通り、5限目直前の
人通りの少ない廊下を意気揚々と
歩いていった。
教室の席に着くと、
アスラン・ザラも着席していたが、
珍しく、話しかけてこなかった。
いや、視線さえ投げかけてこなかった。
はその事実に、
心の中でガッツポーズをした。
(やっと、私で遊ぶのに
飽きてくれたのねッッvv)
と。
まぁ、遊びだったという事実に
少し寂しいような気もするが・・・
仕方ない。
解っていた事だ。
というか、イジメを思えば、
そんなこと屁でもない。
とりあえず、いいことって続けて
おこるものなのねっ!
リンゴーンリンゴーン・・・
5限目の鐘が鳴る。
黒板にはでかでかと
”自習”という文字が書いてあって、
皆それぞれのグループでうるさく雑談中だ。
それどころか、
自習と以前から知っていた人たちは
教室にさえ来ていない。
しかし、当の私は
一人ぽつんと机についていた。
もちろん、友達は沢山いたが、
アホラン事件のせいで、なんだか余所余所しく
なってしまったのだ。
ていうか、そんな安っぽいもの
なんていらないから、
そんな友達なんて
こっちから願い下げだけど。
はぁー・・・・と
一つ溜息を吐いて、
は鞄の中から
読みかけの本を取り出す。
そして、本を開くが・・・・・・・・・
「・・・・・・・随分ご機嫌じゃないか。」
隣から突如聴こえてきた
声に、は隣を見る。
しかし、アスランは黒板を
じっと見詰めたままだった。
一瞬、違う人に言ったのかと
思ったが、アスランが喋れる人は
近くにいない。
てことは、私か?
(ご機嫌って・・・友達もいず、一人溜息。で読書。
この状況でどうご機嫌なのよ。)
「・・・・・別に。」
多分私だろうと判断した私は、
当たり障りのない返答をした。
「・・・そうか?随分楽しそう
だったけど?」
とここでやっと
私のほうに顔を向けた。
しかし、アスランの表情は
嫌味っぽかった。
今までに見たことの無い
表情に、私は少々驚く。
「何の話?」
「しらばっくれるなよ。
屋上での話だ。」
「・・・・・・あんた、ストーカー
の素質でもあるわけ?」
「話を逸らすな。」
のセリフに、
アスランは、少し低い声を出した。
よく解らないが・・・
怒っているらしい。
いや、普通なら
怒るのはこっちの方だよね!?
ストーキングだよ!?
それ、立派な犯罪だよ!?
「・・・意味が解らないんだけど。」
「”しらばっくれるな”と言ったはずだ。」
「・・・・あんたは、何が言いたいのよ。」
そのセリフに、
アスランは少し躊躇ったような
表情をするが、
すぐに私へと
視線をもどした。
「イザーク・ジュールと
仲良くしても俺以上に反感買うだけだと思うが?」
そのセリフに、私は
眉を顰める。
何よ、その言い草。
「仲良くって・・・今日初めて
会ったんだけど。」
「時間なんて関係ない。
それに、明日も会う約束をしてたじゃないか。」
「約束・・・っていうか・・・
”別に来てもいい”って感じだった気が
するんだけど・・・。」
バンッッ!!
「お前は解ってないんだ!!
イザークがアレだけ言うのはありえないことだって!!」
机を叩いて立ち上がったため、
クラス中が会話を中断し、
アスランに注目した。
しかし、アスランが、
『見んじゃねぇ』と容赦なしに
睨みを利かせたため、
一瞬のうちに、
皆、視線を外し、会話を再開した。
・・・・美人が怒ると怖いって
本当なんだ・・・。
っていうか、皆、私を生贄に捧げたわね・・・っ
「こんな所じゃ話も出来やしない・・・っ」
それだけ呟くと、私の腕を握った。
「へ?」
そして、ひっぱって、
教室を出ようとする。
「ちょ・・ちょっと何すんのよ!」
「いいからついてこい!!」
「・・・・・・・・・・」
駄目だ。
人格変わってる。
確かに、元々横暴な所があったが、
普段は、何もかも余裕の中にある。
なのに、今はソレがない、
・・・・・・・・怖い。
私は、黙ってついていくしかなかった。
つづく。(これは本当。)
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すとーかーです。
2006/08/27
更新日 2006/05/30 惶月 奏(おうづきかなで)