『愛しい人に思いを返してもらえたら
絶対に離さない。』
これ、私の性格。
なんだから・・・・
アスラン、頑張ってよね。
・・・それから・・・・・・・・・・・
覚悟して。
彼と私のス・キャ・ン・ダ・ルv
【後編】
「「「「「「「「「「「うぇぇええええええええええええええええ!!!!!」」」」」」」」」」」
11時44分。
夜の早いクルーは眠っている時間帯に、
艦内の至る場所から叫び声が聞こえた。
誰もが、釘付けになって
見る先は、ただ一つ。
至るところに設置されたテレビ画面だ。
それには、今朝、
アスラン・ザラとラクス・クラインの
婚約をスクープしたキャスターが写っていて・・・・・・
まだ、一日しか
たっていないのに、婚約破棄を告げているのだ。
それには、そこまでするか・・・!
・・・と驚きながらも、
心の奥では、ほっとしていた。
そう、誰もがあの二人には
うまくいってほしいと思っているのだ。
・・・・・・・・・自分達の平和な生活の為に。
ところ変わって
・の部屋。
「・・・・・・なんとか間に合ったみたいね。」
はリモコンを
くるくる回しながらテレビを見る。
どこのチャンネルにしても
速報で、アスランとラクスの話を
持ち上げている。
「・・・・・・・・・・・・どうだった?やっぱり
勘当されちゃった?」
はぜーはーと息が上がっている
アスランに問いかける。
自分がけしかけた事とはいえ、
やはり、それは少し後ろめたい。
「いや、俺から勘当してくれ。・・と言ったら
泣きつかれたよ。・・・・・・・ついでにのことも
認めてもらった。」
「・・・・・・・別にそれはしなくてもいいんだけど。」
少し口端を引き攣らせて
言うに、アスランはにっと笑う。
「・・・・・これで障害はなくなったからな。
・・・・・・・・・もう、俺と結婚するしかないよ。」
そう言い放った彼は
とても魅力的で・・・・断れる女の子なんて
いないと思われたが・・・・・・。
しかし、そこで頷くなど
ではなく。
「浮気の前科もちが何言うの?
今後、少しでも浮気の兆しがあったら
即慰謝料ふんだくって別れるから。」
そう、冷たく言い放つ。
「ありえないよ。」
それには、流石のアスランも
苦笑した。
確かに、の為に、一時間強で
通信機やマザーコンピュータなどを
ハッキングして、プラント中に
婚約破棄と・・・・ご丁寧に
「愛している人がいる。」とまで発表したのだ。
・・・・そこまでして、浮気する者など
いないだろう。
「ねぇ??」
「ん?」
「・・・・・・・・えっと・・・・・・・あの・・・・・・・・・」
アスランは少し言いにくそうに
顔を俯かせる。
「何?」
それにはもきょとんとした。
「・・・・・・・・・・・あの・さ・・・触っていい?」
「!?」
アスランの遠慮がちな言葉に
は目を見開く。
・・・・・・・・・そこまで私に
拒否られたことがトラウマになってんのかしら。
・・・・・・・とは驚くが、
アスランにしてみれば当然の
事だった。
「(仕様がない)・・・・・・・アスラン」
「・・・・・・・ん?」
「おいで。」
ベットに上に座っていたが
被っていた布団を傍らに置き、
両手を広げる。
これは、付き合ってからでも
在り得なかった事で・・・・。
アスランは、恐る恐る・・・
だが、嬉々としてを抱き締めた。
「・・・ッ・・・・・・・・」
名前を呼ぶたびに
強く抱き締めてくるアスランに
今日だけは文句を言わないように
しようとは決めた。
「アスラン」
「・・・・・・・・・何?」
「離れて。」
「!・・・・いやだっ!!」
そののセリフに
アスランは慌てて腕の力を強める。
それにはも溜息を吐き・・・・
「違うわよ!・・・そうじゃなくて・・・
手!怪我しているでしょう?」
「へ?」
の言葉にアスランは
そっととの距離をとり、
自分の手を見る。
手の甲には青痣があり、
内出血を起していた。
側面に関しては
血まで滲んでいた。
・・・・・・・・どう見ても
痛々しいものだった。
「馬鹿ね・・・・・あんなにドアを
叩くからよ。」
は眉を潜めながら
アスランの手を取る。
それでも、口調は驚くほど
優しかった。
「・・・・・・・仕方ないだろう?
・・・・を失わないように・・・って
必死だったんだから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その言葉には
不意に頬を染めた。
それをアスランは
微笑ましく眺めていたが・・・・・・
急に、握られていた手が
離され、ベットから降りようとする彼女に
アスランは慌てて、腕を掴む。
「ちょ・・・っどこにいくんだ!?」
「・・・・・・どこって・・・救急箱
とってくるだけよ?」
あまりの慌てように
は呆れてアスランを見る。
それに一瞬、ほっとしたような
表情をみせたものの・・・・・・・
「そんなのいい。」
一向にの手を離す気配がない。
「いや、よくないから。」
「いやだ。離れたくない。」
「あのねぇ〜・・・」
「こんなの明日でもいい。
・・・・・・・・だから・・・・・・」
と弱々しげにしかも上目遣いに
を見詰めてくる彼に
は観念せざるおえなかった。
「はぁ〜・・・っ」
溜息を吐きながらベットの上に戻る。
アスランはそれを見て、
ほっとした表情を見せる。
「約束よ。明日になったら
絶対に医務室に行く。」
「・・・・・・あぁ。」
はアスランの痛々しい
手を見詰めがら優しく撫でる。
それにはアスランも本当に
嬉しかった。
精神的には、こちらの治療のほうが
効果的だ。
しかし・・・・・・
アスランがそんな呑気なことを
思っていると、
はその手を自分の唇へ
当てた。
「なっ!?」
それには、
・・・・・・・・違う意味で精神的にやばかった。
そして・・・・
「ごめんね・・・・」
と済まなそうに言って来る
彼女もしおらしくて・・・本当に愛しくて。
色々、もう一杯一杯で・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・違う意味で
今夜嫌われなきゃいんだけど・・・・・・・・・。
その危機感がアスランの
胸をおおった。
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すみません、偽アスランで。
感想・・・くれると嬉しいなぁ。
・・・とかちょっと催促しちゃったり・・・。(笑)
いえいえ!読んでくださるだけで
満足なんですけどね!私は!!!
2006/07/02 惶月 奏(おうづきかなで)