確かに、結婚前夜・・・といえば
 
          甘い予感に期待・・・・・・・しなくもない。


          だが、・・・・・俺達には
           
          それは無いな・・・。と

          根拠も無く、確信してしまうのは何故だろう・・・・。











              ビター・オア・スイート?#28












          (アスラン・・・大丈夫かしら・・・・・)


          は自分が仕込んだ事にも関わらず
          そんな事を思っていた。




          そこには異様な光景が広がっていた。
          
          一室の・・・とてつもなく広くて、質も超一級だが、
          ほとんど何も無く、シンプルな部屋。
          
          
          ・・・・・もとい、アスランの部屋。


          そこには、アスランのクイーンサイズのベッドに
          腰掛けて、超くつろいでいると、

          自分の部屋にも関わらず、
          どこか緊張して硬い・・・しかも、ベッドを見詰めたまま
          
片隅で動かないアスランがいた。


  


          「・・・・・ふぅ・・・・」

          最初は、アスランの心の準備が
          できるまで待ってやろう・・・とか思ってたけど・・・・・。


          (そろそろ寝ないと、不味いしなぁ・・・・・・・・・)

          は溜息をつきながらちらりと
          時計を見た。

          もうすぐ・・・一時になる。

          仮にも明日は、結婚式だ。

          そりゃあ・・眠れば
          顔は可愛くなる・・・と言う訳ではないだろうが
          一生に一度の花道!万全のコンディションで望みたい!!

   
          ・・・・というのが乙女心っしょ?

          
          「アスラン・・・いい加減、おいで。」

          と手を招く。

          それに、アスランは複雑な顔をしながらも
          やっとこっとの所まで、歩いていく。


          不本意な表情のままのアスランを
          は愛しみをこめながら微笑んで、頬を撫でる。


          「・・・・アスラン?別にそんな構えなくても大丈夫よ?
          
取って食いはしないから。

          「・・・・・セリフ・・・・・・・・・
逆な気がするんだけど・・・・。」

          「気にしないの♪私達は私達でしょ?」

          そんな天真爛漫なのセリフに、
          アスランは、はぁー・・・と情けなさに溜息をつくが、

          次の瞬間には、『それもそうだな』と思い直し、

          目覚まし時計に手を伸ばす。

          
          「確か・・・・8時に迎えに来るから・・・
          7時前でいいか?」

          「そうね、いいわよ。」

          の応答にアスランは時計を
          カチカチとあわせていく。


          それが終わったのをは、確認し、
          ベッドに滑り込む。

          そして、一人分のスペースだけしか残さない程度まで
          奥に入り・・・・

         
          
「さぁvv近こうよれvv苦しゅうないぞ??」

          とにこやかに布団をめくり、
          アスランに入るように促す。


          「・・・・ここ・・俺の部屋なんだけど・・・
          いや、その前に、そのセリフって・・・・」

          突込みどころ満載なのセリフに
          半眼になるアスランだが、が眉を潜めたので
 
          口をつぐんだ。


          そして、がめくってくれたところから
          滑り込むようにして、入る。


          「・・・・ちょっと!なんで、そんなに
離れてるのよ!


          と触れ合わないように、ベットぎりぎりに
          寝ているアスランには頬を膨らませる。
    
 
          アスランの事だから、離れて寝るだろうなぁ・・・と
          思ったから

          クイーンサイズなのに、一人分のスペースしか
          空けてなかったのに・・・! 


          「いや・・・えっと・・・その・・・・・」

          「恥ずかしいのは、解るけどねぇ・・・っっ
          こっちは寒いのよ!解る!?」



          「ぅえ゛・・・・・っ!?」

          後ろからのほうに引き寄せられ、
          急に抱き締められる。

          
「あったかい・・・v」

          「!!・・・ちょっ・・・・」

          「へ?あぁ・・・・そっか?
電気ね。
          はい。じゃあ、消すよ〜〜。」

          「ち・・・・ちがっ・・・・!」

         
          ぷちん。




          は、アスランの言葉も聞かずに
          ベットサイドの明かりを消す。


          「あ・・・あ〜・・・」

          視界が暗闇で覆われた瞬間、アスランは脱力した。


          



          そして、アスランにとっては、かなり
しんどい
          長い夜が。

          にとっては、
そうでもない夜が始るのだった。          

                 
          
                             








            

     
 ビター・オア・スイート?#28



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                              本当に、FIGHT!ですね。
                              あすらん・・・・。

                              かわいそうに・・・・。(おい)



                                2006.1.22. 惶月 奏(おうづきかなで)