外は夏。
一般的に真夏。
みー・・・んみーー・・・・ん
と蝉がけたたましく鳴いている。
2人の為にあてがわれた
大きな洋館はそんなものを遮るように佇んでいた。
只今、その洋館には
夏とは真逆な嵐が滞在中である。
ビター・オア・スイート?#9
「お茶はいりましたよーーーvv」
とはパタパタと大きなお盆にティーセットとケーキを
乗せて持ってくる。
「キラ、紅茶飲める?甘いものとかも大丈夫?」
とがケーキを切り分けながら
心配そうにキラに聞く。
「うんvv甘いもの大好きvv」
「そっかぁvvよかったぁv・・・・じゃあ大きく切り分けるねv」
「わーいv」
・・・・・・・・・何なんだこのハート乱舞な会話は・・・・っ
とアスランはが淹れてくれたお茶を飲みながら
横目で2人を見る。
「・・・んー・・・・やっぱり冷たいジュースとかの方がよかった?」
「いや、そん・・」
「そんなことないよ。クーラー結構効いてるしね。」
とアスランの言葉を遮りキラが満面の笑みで
に応える。
(・・・・・っキラッ!!!!!!!!!!!)
(何?アスラン?)
(・・・・・・・・・・・・っ)
そんな幼馴染ならではのアイコンタクトをする2人。
「うわぁvこのケーキおいしいなぁvこんな所にも
ケーキ屋さんってあるんだぁ・・・・寄って行こうかなぁ・・」
とキラが少し甘さが抑えられた・・・しかし、その分果物の
甘さが引き立っている生クリームのケーキを頬張る。
先程から殺気を出しているアスランを無視して。
「え・・・やだキラ、それ私が作ったのよ?」
はくすくす笑いながら自分のカップ
に紅茶を注ぐ。
「嘘ッ!?本当に!?すごい!すごくおいしいよ!これっ!!」
「あはは・・・ありがと、でもそれは少し褒めすぎだよ」
顔をきらめかせながら感動しているキラには
苦笑いを浮かべる。
「そっか・・・が料理が出来るからここには家政婦さんが
いないんだ・・・・・。いやー・・変だと思ったんだよね」
とキラはひとり納得顔で頷く。
どうやら、出迎えたのがアスランで、
部屋に入ってからも、家政婦の姿が見えないのが気になっていたらしい。
まぁ・・・ザラ家のお坊ちゃん+こんな馬鹿でかい洋館=家政婦・・よね。
とは自分のことを置いてそんな方程式を組み立てる。
「いや・・・・・私そんなに料理できないよ、普通?いや・・・以下かな・・・。
色々な料理できるようになったのだって此処に来てからだし・・・・・。
・・・・・うん、多分家政婦さんがいないのはアスランと少しでも
内密になるように・・・・・・みたいな親の戦略。」
ぶっ!!
のあんまりな表現にアスランは吹き出す。
「わ・・・アスランッ!?大丈夫っ!?」
とは慌てて咳き込んでいるアスランにタオルを
渡す。
「・・・・ごほっ・・・・っ・・・ありがと・・・・・っ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そんな様子をちょっと哀れみの瞳で見詰めるキラ。
「・・・・・・なんか君の苦労が垣間見えたよ、アスラン。」
「うるさい・・・・・・・」
「?」
「じゃあ、ちょっと昼食の買出しに行って来るね!!」
日も高くなった頃、がすくっと立ち上がり
買い物かごを手にする。
「えぇ・・・!?買い物行っちゃうのぉ?」
と結構な時間話し、すっかりと仲良くなったキラは
少し駄々をこねるように言う。
それをアスランは眉を顰めて見詰め、それからに
視線を移す。
「でも、今日暑いぞ?ここから店まで結構距離あるし・・・・
俺が行こうか?」
今日は30度を超えると天気予報で言っていたことを思い出した
アスランはに心配そうにそう持ちかける。
「あはは、ありがと。でも大丈夫よ。それにそれなら尚更アスランには
行かせられないよ。」
「、俺車に乗れるって事忘れてない?」
「え?・・あっ、そうだった!車があったんじゃんッ!!
車で行けば快適、爽快にばっびゅーんと行けるわねっvv」
と盲点だった!!・・・とばかりには顔を輝かせる。
「ちょっと待て!・・・免許持ってないだろっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・無免許運転?」
「いやっ!!そんな事小首かしげて聞かれても困るからっ!!!」
(可愛いけどっ)
・・・・・とか思ったのは秘密で。
「ちぇーーやっぱダメかぁ・・・。仕方ないっ!チャリでもこいで行きますか!」
とは傍らにおいてあった麦藁帽子を被る。
「だから、俺がいくって・・・・」
「だーめっ!アスランが行くと必ずロールキャベルの
材料になっちゃうんだもん!!」
「うっ・・・・・」
そうなのだ、無意識か、意識してかは分からないが
アスランに買い物を任せると、絶対にロールキャベルの材料を
買ってくるのだ。
そりゃあ・・・買い物メモ書くのがだるい・・・という理由で
アスランに『適当に買ってきて』という私も悪いんだけどさ・・・・。
だからって3日続けて・・・・・しかもそれ以降もロールキャベツが
食べたいとか言う貴方はちょっとおかしいと思いますっ!!
・・・・・・・・・もちろん、可愛いんだけど・・・。
そして、うきうきしながらロールキャベツを待っているアスランを
見るために私も結局作っちゃうんだけども・・・・。
これってちょっぴし新妻の心境?
「ぷっ!アスラン・・・まだロールキャベル好きなんだ?」
と黙って2人の言葉の応酬を見ていたキラが
笑いながらアスランに視線を上げる。
「〜〜〜〜っ!お前だって好きだろうがっ!ロールキャベツッッ!!」
「ま・・まぁ好きだけどさ、でもそんな四六時中食べたいとは・・・・・」
「・・・それは・・・・・でものロールキャベツ本当にうまいんだぞっ!?
いつも味とか同じにならないようにアレンジしてくれてるし・・・・」
そりゃあ・・・・・あんなに毎日ロールキャベツとなれば
アレンジもしたくなりますよ・・・・・・。
とか、皮肉った事をは考えながらも・・・・・・・・・・
(・・・うまい・・・・・だって・・・・)
そりゃあ、いつも『おいしい』って言ってくれるよ?
だけど、それって社交辞令というか、お世辞かもじゃん?
でも、人に言うってことは本当においしいってことで・・・・・・・・・。
「よぉ〜しっ☆・ッ!!ロールキャベツの
材料買いに行ってきます!!」
ぱたぱたぱた・・・・・・ガッシャンッ
は変な掛け声をかけ、スキップ交じりで
家を飛び出した。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
そんなを唖然と見送る二人。
「・・・・・・・・・ってさ・・・可愛いね・・・・。」
そのがいった方向を見つめ、
小さくやや呆然として呟くキラ。
「え゛っ゛!?」
そんなキラにアスランは碧眼の瞳を見開く。
・・・・とまぁ・・・こんな感じで
嵐滞在中な今日この頃。
さぁ?無事に済むか!?
とりあえず、アスランの苦労があることは間違いなし・・です。
ビター・オア・スイート?#9
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はい。進み滅茶苦茶遅いです。
本当に遅いです。
ごめんなさい・・・・・。
申し訳ないです、やっぱ話くらい
考えて打たないとですね・・・・。(←計画性0)
2005.7.23. 惶月 奏(おうづきかなで)