もちろん、アスランの事

          好きか、嫌いか。

          ・・・・と言われれば好きだし。

          だけど、

          なんというか、

          本格的に意識はしてなくて・・・・・・・・・・


          だから、急にこんな事になっても

          情けない事にどうしていいかわからないのです。









     ビター・オア・スイート?#11










           「・・・・。」

           「な・・・・なに?」


           夕飯時。

           の作った夕食を食べながら
           2人の間に流れていた長い沈黙をアスランが破る。


           
           「・・・・・・き・・・キラの言った事について・・・・だけど。」

           
           その言葉に、の動きが止まる。



           「あ・・・・あの・さ・・・・・あれは・・・・・・・・っ」

           とアスランは頬を染めて
           言葉をつづる。

           


           
気持ちを伝えるチャンス。

           そんな事はわかってる。

           俺は、なかなか告白なんて出来ないから。

           ・・・・だから、いいチャンスなんだ。


           のろのろしてたら、約束の一ヶ月が来てしまう。

           一ヶ月たったら、婚約は破棄だ。




           なんかそういう事を
           思い出すと、笑ってしまう。

           あの時は『婚約者なんて冗談じゃない!』
           『一ヶ月も女の子と一緒なんて!!!!』・・・とか
           思ってたのに。


           今じゃあ・・・・・
           一生、と一緒に入れたらいいな・・・とか思ってる。


           
           「あ・・・・アスラン?」

           黙り込んでしまったアスランに
           は声を掛ける。

           「あっ・・・ご、ごめんっ。えっと・・・・ね?だから・・・・」 

           「・・・・・うん・・・?」


           は真っ赤になって喋り続ける
           アスランを見詰める。

          
 これは・・・・・

           やっぱり、アレなのかしら・・・?

           キラの言ったことって本当なのかな?

           ・・・・・・だとしたら
           アスランは私のことを?

           
えぇ!?

           
ないないないないないないっ!!!!

           アスランほど素敵な人がよ?
           私を?


     ないないないないないないないっ!!!!!!!!


           と心の中で完全否定する

          
 

           だけどさ・・・・・?

           とちらっとアスランを盗み見る。


           ちょぉーーーっと
脳内乙女にして、
           
夢思考で考えたとして・・・・・・

 
           アスランが私の事好き。

           
・・・・・だとする。(仮定)



           だとしたら、私は?


           好き?

           嫌い?


           好きだよ?

           嫌いじゃないよね? 
          
           うん、大好き。


           あの蒼い髪とか、白い肌とか
           緑の綺麗な目とか、


           ちょっとへたれで照れ屋なとことか。
           しっかりしてて凛としてるところとか。

           いい始めたらキリがないくらい
           アスランはいいところを持っている。


           そんな風に考えて、

           そんな風に思考をたどっていくと

           心臓が動き出す。

           物凄い音を立てて。


           (どっ、どうしよう!?本気でときめき始めたっ!!
           ちょっと私、夢思考になりすぎだよっ!!戻さなきゃっ!!!)

           戻して。

           戻して・・・・・・・・


           夢思考、脳内乙女を、戻して・・・・・・・・・。




           あ・・・・アレ!?


           「・・・・・っ」

           は胸に手を当てる。

           心臓はどきどき音を立てて
           止まる気配がない。

           アスランが目の前にいるって
           再確認すれば、もっと体自体が波打ってるみたいに
           音が大きくなる。


           うそっ・・・・・

           戻らない・・・・・?

           
           リアリストな私に戻しても
           ときめきが止まらないってことは・・・・・・。

           好きだって事・・・・・・・・?

           私が?アスランを?


           「・・・・・・・・・・・・・っ」


           どうするっ!?
 
          どうしよう!?


           


           と、とりあえずっ・・・・・・・・
            
          
 『腹が減っちゃあ戦も出来ねぇ!!!!』だっ!!
           とりあえず、食べ終わってから考えよう!!!(何かが違う)


           「あ・・・・アスランッ!!とりあえず食べよう?」

           とまだどもって何かを言おうとしていた
           アスランにはそう促す。

           「え・・・・あ・・・う、うん。」


           とアスランもに釣られて
           食事を開始する。


           だが、この食事中、2人が目を合わせることはなかった。














           チャンチャンチャンチャーララチャンチャンチャンチャララー♪




           場所は離れて、キラは自宅。

           一人でコンビニで買った夕食を摂りながら、
           テレビを見ていた。

           そんな中、携帯電話が鳴り響く。

           「ん?」

           と、起用に片手で操作しながら
           メールをチェックする。

           どうやら、それはアスランかららしく・・・・・。

           「やっぱり・・・・・」

           とメールを読みながら少年の瞳は
           半眼になる。

           内容は。




        
   『    どうすんだよ!!お前が言った性で
                まともに喋れないじゃないかっ!

                そりゃあ、のことは好きだ。
                だけどっ・・・だけど、幾らなんでも言わなくたって・・・・!!

                ・・・・・・・・・なんか、の様子も
                おかしいしっ!!・・・・どうすんだよっ!!キラッ!!     』 


 
           「どうするって・・・・・少し落ち着きなよ・・・・・。」



           
チャンチャンチャンチャーララチャンチャンチャンチャララー♪


           アスランへの返信を打つ最中、
           そんな電子音が鳴る。

           「えっ!?アスランっ!?はやっ!僕の返事待とうよ!・・・・・って・・・・・」

           とキラは送られてくる早さに驚くが
           表示された名前に脱力する。

         
  『  』


           「・・・・ったく、なんなんだよっ!君達カップルはっ!!!」

           とメールアドレスを教えた事を少し後悔しながら
           のメールを確認する。

           
         
  『  き・・・キラッ!!!どうしよう!!            
              私、アスランの事ね・・・好き・・・かもしれなくて・・・。

              だけど、そう気づいたらなんか顔合わすの滅茶苦茶
              恥ずかしいんだけどっ・・・・どうしよう!?        』



 
           「・・・・・・・・・同じ内容打たないでくれる?
           
果てしなくむかつくから。」


           こっちはさびしく一人で
           コンビニ弁当を食ってるって言うのに。

           そっちは仲良く両思い片思いしてるくせに・・・・ッ!!!

           とキラはあまりの不公平さに
           行き場のない苛立ちを覚える。


           「あ〜あ・・・・っなんか返信する気なくなっ・・・・・・」

           とか独り言を言った時・・・・・・・・・・・


          
 キラに悪魔が降臨した。


           

           にやっと口元を緩め・・・・・・・・・・・



           
「少しはこれで進展するでしょ。あ〜僕って本当いいヤツ〜〜」


           ・・・・・と、ひとり呟き・・・・・・・・・


           アスランから来たメールをに。

           から来たメールをアスランに。


           ピッ



           ピッ




          
 「はいっv送ーーーー信v」


           と先程とは違い、キラは満足した笑顔で
           ぱたんっと携帯電話を閉じた。
           




 

      ビター・オア・スイート?#11




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                               あははははははっ
                               さっすが、キラ様!!

                               ・・・としか言いようがないです!!


                               2005.8.9. 惶月 奏(おうづきかなで)