キッカケ・・・・・・
それは、良くも悪くもあるものです。
ですけども・・・・・・
これは唐突過ぎでは・・・・・・・・・・・?
ビター・オア・スイート?#13
お互い、渡しあった携帯を
閉じたまま、開きもせず、じーっと見詰める。
「・・・・み・見ないの?」
はアスランに視線を移してそう促す。
「あ・・・うん・・・・」
アスランはそう言って頷くが・・・・
アスランは携帯を見詰めたまま、開く気配がない。
これで・・・・
これで・・・決まるんだ・・・。
これからも・・・・と一緒に居れるかどうか・・・・・・
そう、思うと、なかなか決心がつかない・・・・・・。
そんなアスランをは不思議そうに見詰めながら
自分の手の中にあるアスランの携帯を見詰める。
「・・・・。」
ふと呼ばれるアスランの声に
はびくっとして顔を上げる。
何故かの携帯を差し出していて・・・・・
「?・・・・・見てないよね?・・・・まだ・・・・」
「・・・・・・・あぁ・・・・」
「じゃあ・・・・?」
何かを見たくて、私の携帯を見せてって
言ったんだよね・・・・?
アスランの行動が掴めないは
首を傾げる。
「・・・駄目だ・・・駄目・・・なんだ・・・・っ」
アスランは眉を潜めて
噛み締めるようにそう繰り返す。
思い悩むアスランは結構見慣れているが、
ここまで、追い詰めているアスランを初めて見る・・・・。
そんなアスランをは心配そうに黙って見詰める。
「・・・・こんなものに・・・楽な方に逃げてちゃ駄目なんだ・・っ」
「アス・・・?」
「・・・大事な事だから・・・・だから・・・こんな
いい加減なモノにしたくない・・・・・・!!」
携帯を握り締めながら何かを噛み締めるように
アスランは搾り出す。
「・・・・・アスラン?・・・何が・・・・・」
ことんっ・・
の携帯を自分とを隔てている
テーブルへ置く。
アスランはすぅ・・・・っと一呼吸して・・・・・
それから・・・まっすぐを見て・・・・
「・・・・・・好きだよ。俺、が好きだ。」
そう、強く言い放つ。
まっすぐな碧眼の視線が
を射抜く。
・・・・・え・・・・?
一方のは頭が真っ白になるのを感じていた。
(・・・今なんて・・・・・?)
「だから、俺は・・・自分勝手なこと言うようだけど・・・
婚約は破棄したくない・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・っ」
は目を丸くしてアスランを見詰める。
あのアスランがこんなことを言うなんて・・・・・・!
「・・・アスラン、自分が何言ってるかわかる?」
は未だに信じられないという表情で
アスランを見詰める。
だって・・・・これは・・・・・
「わかってるつもりだ。」
しかし、アスランは怯むことなく
を見返す。
「・・・・・婚約破棄しないってことは・・・・
私と結婚するってことだよ・・・・!?」
「あぁ、俺はと結婚したいんだ。」
それでも、そう冷静に言い返すアスランに
は呆然と立ち尽くす。
そりゃあ・・・
嬉しいよ?
私、アスランのこと好きだし・・・・っ
だけど・・・・・だけど・・・・・っ
あのアスランがこんなこと言うなんて・・・ッ
一ヶ月弱・・・・アスランと一緒に暮らしてきて・・・
アスランはかなり照れ屋で、普通の会話だって最初は
なかなかスムーズにいかなかった。
本当に、アスランはいい加減な事は言わない人。
そこまで考えなくていいのに・・・と思えるほど
考え込む人だよ・・?
なのに・・・・?
「・・・・ほん・・・き・・・なの?」
「本気だよ。・・・・・・だけど無理強いする気は無い。」
「え?」
「の・・・気持ちは尊重する。両親には、『俺も
婚約を破棄したい』って説得する。」
「・・・・・・・・・・・」
「だから・・・・正直に言ってもらって構わない・・・・・」
アスランは、眉を潜めながらを見詰める。
『正直に言ってもらって構わない』・・・とか
かっこつけて言っちゃたけど・・・・
本当は、怖い。
嘘でもいいから、好きじゃなくてもいいから・・・・・・
俺と結婚してほしい・・・という気持ちも正直ある。
ここで拒絶されても・・・・情けないけど・・・・
諦めきれるかどうかも自信がない。
アスランが食入るように見つめる中、
はアスランの顔が見れずに俯いて考えている。
それが、更にアスランの不安を煽る。
「・・・わ・・・・私は・・・・・・っ」
一時の沈黙の後、が口を開く。
アスランの心臓は今や早鐘だった。
の口から次の言葉を出るのを
唇を噛み締めながら見詰める。
早く・・・早く答えが知りたい・・・・・
・・・・・という気持ちと相反してここから逃げ出したい・・・・
という感情も渦巻く。
「・・・・・・アスラン・・・私は・・・・。」
俯いていたの顔が上げられ、
アスランをまっすぐに見詰める。
その視線に、アスランはごくんっと喉を鳴らす。
多分・・・今、情けない顔をしているだろう・・・・。
とアスランは感じるが、
直す余裕さえ今は持ち合わせていていない。
「・・・・・・・・・・私、アスランのこと大好きだよ」
はそう言うと、
緊張した面持ちからふっと表情を柔らかくする。
「え?」
しかし、一方のアスランは
その言葉が頭に伝達しきれない模様で・・・・。
は、そんなアスランおかまえなしで、
更に言葉を続ける。
「アスラン、結婚しよう!」
「!?」
満面の笑みで告げられた言葉に
アスランは自分で言った癖にただただ、
うろたえるのだった・・・。
ビター・オア・スイート?#13
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「アスラン、結婚しよう!」
とか言ってみてぇ・・・・!
(はい、馬鹿です。)
2005.9.10. 惶月 奏(おうづきかなで)