朝起きれば、王子様がリビングでコーヒーなんか飲みながら
         
          新聞読んでる。

          それって何!?

          かなりおいしくないですか!!

          うは〜vv朝からご馳走様ッvv
                  
          ・・・って感じでございますvv(いや、変態だから)



          ・・・・でも、それは朝だけじゃなく、

          昼でも、夜でも・・・・・・・・・・

          彼といればいつだってご馳走様・・・・な私の精神・・・・

          ちょっとやばくないですか?

          ・・・・・・・・・・・・と思う今日この頃です。
















      ビター・オア・スイート?#4





















          「アスランさん、この辺りの地図持ってませんか?」

          と大分日も高くなってきた頃、本を読んでいるアスランにがそう切り出す。


          「地図?」

          アスランは本からふっとへと視線を移す。

 
          「そう、私ここに無理やり連れてこられたからここが何処なのかも分からないのです・・」

          「・・・・むりやり・・・?なんでまた・・・・・」

          とアスランは眉を顰めながら問い返す。
          いや、なんとなく・・・なんとなくは分かる気がするんだけども。


          「そりゃあ・・・脱走しかねないからでしょうね?」

          (やっぱり・・・・!!)

          ・・・・・・・・・・と思ってしまうのは失礼な事なのか・・・
          や・・・失礼なんだろうけど・・・・・・・。




          「でもさ?アスランさんが相手なら脱走なんてしないのにね?」


          とは満面の笑みでアスランに同意を求める。

          ・・・・・・が。

          
ボトッ!!!

          ・・・・・・と手から本が滑り落ちる。

          
          
(頼むから、そうゆう恥ずかしい事をさらっと言わないでくれ!!!!)


          とこの少女と会った時からのことを走馬灯のように頭に描く。
       
          まだ、出会って2日そこらなのに、アスランは幾度となく彼女の言葉に
          踊らされている。


          しかも、無意識に・・・なのが本当に厄介だ。







          「・・・・・・・・・アスランさんって・・・よく物おとすよね・・・。」

          とは苦笑気味で本を拾い、アスランに渡す。
          ・・・・・・・・・・それが自分のせいだとも知らずに。

          「いや・・・・・どうも・・・・。」

          ・・・・・・・・・・・とアスランは答えることしか出来なかった。

           
 










          「はい。さん。」


          とアスランはに地図を渡す。

          はその地図を受け取り、眉をやや寄せながら
          アスランを無言で見詰める。

          「・・・・・・・・・・・・・・なに?」

          「いや・・・・アスランさんって、私のこと『さん』・・・って呼ぶんだな・・・・と。」

          「は?」

          「や・・なんか違和感感じたもんだから・・・・。名前の方が呼びやすくないですか?」

          はアスランを見上げる。


      
          いや・・・・本音は『』・・・・って呼ばれたいだけなのだが・・・。
          

          (だって・・・なんか仲良しっていうか!・・・『さん』よりも『』のほうがさ・・・・)
    


          あぁ・・・・でも
どうしよう!?』なぁんてアスランさんによばれたら
          
マジでやばいよ!?
 
          
心臓飛び跳ねるよ!?


          あぁ・・・・vvでも呼ばれたい・・・・・・・vv

          ちょっと恋人的な雰囲気を味わってみたいのよ!!

          ちょっとロマンティックに!!!!


          私、自慢じゃないけど、男の子に呼び捨てされた事ないから
          尚更、憧れてるのさvv



          とかいつものごとく、は思考回路のなかで爆走していたが、
          今回はアスランもアスランで・・・・・・



          えっ・・・・!?

          名前・・・・名前・・・・・って『』って呼べってことか!?

          そりゃあ・・・・『さん』・・は少し他所他所しいかな・・・・
          とは思ってたけども・・・・・

          だけどもさ!?
          その『』・・・って呼ぶの・・・なんか今更恥ずかしいっていうか・・・。
                
          自慢じゃないけど、今まで女の子と話したことなんて数える程にしか
          ないから(しかも、軽い会話程度)
          

          なんか、本当に婚約者っぽいっていうか・・・・

          恋人っぽいって言うか・・・・・・・・・・。

          ・・・って!名前で呼ぶ位でなに考えてんだよ!俺ッ!!
          なんか・・妄想激しくなってきてないか・・・・?


          とこちらもこちらで思考回路を爆走中・・・・・。

          アスラン・・・・それは思いっきりの影響を受けまくっております・・・・。






          「・・・・・・・それを言うなら、『アスランさん』・・・・も違和感感じないか?」

          と口元抑えながらアスランは切り出す。

          「そうですか?」 
 
          「そうだよ。」


          え・・・じゃあ・・何!?
      
          『アスラン』って読んでいいってこと!?
          
マジ!?

          いや〜vvなんか、なんか・・・・
          
あまぁいムードがぁあああvvv






          ・・・・・・・・・・・・そんな事を考えるのは貴方だけです。






          「じゃあさ?・・・・・・・・・『アスラン』って呼んでもいいの?」

          「あぁ・・・・別に構わないよ。・・・というかそうしてもらえた方がいい・・
          なんか『さん』付けは苦手だから・・・・・。」


          ・・・・・・・・・とアスランは言ったものの・・・。

          
なぁにが『さん』付けは苦手だよ!!
          思いっきりみんなにさん付けされてるじゃないか!

          しかも、今まで違和感もなしに!!!

          とアスランは表面に出さずプチパニックを起こしていた。

          でも・・・・なんだか、この少女には『アスラン』・・・・・・・って
          ちゃんと呼んでほしいな・・・・と思ってしまったから・・・・・・・

          それを自覚するとアスランは更に頬を紅潮させた。


          
          「・・・・・・・・・じゃあ、アスランさんも『』って呼んでくださいね?」

          「あぁ・・・」

          「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

          
          ((なんで名前ひとつでこんなに緊張するんだろう・・・・・・・・・))          
         

         














          「あっ・・・え・・・・っと・・・あ・・・アスラン」 


          「え・・・なに?」

          (どうしよう・・・なんか・・・嬉しい・・・・・・)

          と微妙に感激する自分にアスランは次に瞬間
          そんな感情に頬をさらに熱くし眉を寄せた。


          「昼食何食べたい?」

          「え・・・あ、もうそんな時間?」

          とアスランは腕時計に視線を落とす。
          丁度、11時30を回った所だった。



          「うんvvそれでリクエストはないかと・・・。」

          「ん・・・・そうだなぁ・・・・・。」

          とアスランは顎に手をのせ、少し考える
          
          「え・・・と、そうだな・・・・・・。じゃあ・・・ロールキャベツ・・とか作れる?」

          とアスランが控えめに上目ずかいでそう切り出す。
 

          
うわっvvかぁわいいっvv
          この翡翠色の瞳に上目ずかい・・・・これで
落ちない女の子はいませんよ!!旦那!!





          「ロールキャベツ?」

          「あぁ。」

          「アスランはロールキャベツがすきなの?」

          「・・・・・・・・・・・・・・あぁ。」

          「・・・・・・・・・・・そっか。」

          「あぁ、でも、駄目なら駄目で・・・・・・・・・」

          「よし!ちょっと待ってて!!」

          とはアスランの言葉を遮り、ぱたぱたと音を立てながら
          リビングを後にする。


          「・・・・何なんだ?」


          アスランはその様子を呆然と見ていた。












         


          「じゃ〜んvv」
          
          と10分後、戻ってきたが効果音と共に一冊の本アスランに見せる。

          「・・・・・・・何?」 

          「料理本vvちょっと、図書室から探してきたvvv」

          とはぱらぱらとその本のページをめくる。

          昨日、この大きな屋敷の中に図書室を見つけたときには本当に
          驚いた。

          おいおい、たかが2人暮らしの家にこんな物まで設けちゃうのかよ・・・
          みたいな・・・ね。

          だいたい、この家は相当バリ田舎なこの地域から見てかなり浮いてる。
          まぁ、そのお陰でばっちり、
          『・・・あぁ・・あの家か・・』と見つけられたのだけれど。

          

          「ロールキャベツって大体はわかるんだけど、作った事ないからね。」

          とはロールキャベツのページを開き、手順を覚える。





          「・・・・・う・・・・」

          「ん?何か言った?」



          「・・・ありがとう、・・・えと・・・。」

          とアスランがやや俯きながらそうぼそぼそと呟く。

          「・・・!!」

          ・・・・・・・・・・・・・・・・どうしよう!!!
          『』って・・・・『』って!!!!
       
             嬉しすぎる!!!!

             しかも、赤くなってるし!!!

            あぁ〜////超可愛いっvv
         何っこの生き物はッvvvvvv


          どうしよう!!!!!(何もしなくていい)




          ビジュアル的にも微笑ましいのに、アスランの性格からして、
          悩みに悩みまくって、無駄なタイミングを計ってやっとこっと言ったってのが
          伝わってくるから(ひどっ)

          本当に嬉しい・・・・・・・。
         
          


          「よ・・・・よし!頑張って作ります!!
アスラン王子の為に!!!!

          と私は腕まくりをしながらガッツポーズをし、本と共に
          キッチンへと走りこんだ。

          
(こうなったら、世界一おいしいロールキャベツを作ってやるわ!!!)
  
          という決意を胸に。










          「・・・・・・・王子ってなんだ?」
                     
          とアスランは一人取り残されたリビングでぽつりと呟いた。
















          「・・・・・・・どう?」

          とは朝に引き続き、神妙な面持ちでアスランを見詰める。

          「・・・・・・ん。おいしい・・・・すごく・・・・・。」

          「本当?」
 
          「うん。」

          「よかったぁ〜」

          との硬かった表情が崩れる。
          どうやら相当、心配していたようだ。

          そんなをアスランは微笑みながら眺める。

          「ありがとな、本当に。」

          「・・・・そこまでお礼言われると調子乗って、毎日ロールキャベツだよ?」

          「大歓迎。」

          「・・・・・・・・・マジで?」


          とふっと空間が静寂に包まれ、
          次の瞬間2人同時に顔を見合わせて笑い出す。


          
          「、これ食べ終わったらここらへん散歩に行かないか?」

          「え?」

          「いや、・・ほらこんな所滅多に来れないし・・・いっ・・・・・・
          いやっ・・・・・べっ・・・・・・別に・・嫌ならいいんだ!!」

          と言った後、顔を赤くして、気まずさにロールキャベツを頬張るアスラン。




          「・・・・・っ!!ううんっ!!是非!!是非お供させてくださいな!!王子様ッ!!!」

         
          「・・・・・・・・・・・・・だから王子って何・・・?」

          
          
 
           
             












      ビター・オア・スイート?#4






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                           あはは。
                           うふふ。
                           ・・・・・・・・・・な感じです(どんな感じだ)

                           なぁんか珍しく純愛モードですよ!(そうか)
                           これで、最後まで持っていけたらいいですねぇ(遠い目)
                                 


                              2005.6.4  惶月 奏(おうづきかなで)