10月29日。

今日は愛しいあの人の誕生日。

いつもは、神様なんて信じてない私だけど・・・・・


今日ばかりは感謝します。

あの人をこの世に使わせてくれて・・・・・

そして、私と尊い出会いをさせてくれて




・・・・・・・・・・・・・ありがとうございます。












   LOVABLE MY BOY〜1












「・・・・・うむむ・・・・」


アークエンジェルの食堂の片隅で、
どばぁっとカタログやら何やらを広げて
唸っている少女がいた。


「・・・・どしたの???」


いつも自室に閉じこもって
出てこないはずの彼女にキラは隣に座り、

テーブルに散らばっていたカタログの一つを
ぱらぱらとめくる。


キラが今、手に取ったのは、
時計のカタログだったが、

テーブルには、アクセサリーから、家具。
それこそ、マニアックな黒魔術とかのカタログまで置いてある。

この少女とは、
工業カレッジからの友人だが・・・・・・

なかなか掴めない人物である・・・・・。



「・・・・・・・なにこれ。」

(どこで手に入れたんだろ・・・・・)

「見りゃあ、わかるでしょ」

はキラに目も向けずに、
黙々とカタログを読み漁っているが・・・・・・・


「わかんないから聞いてるんだけど・・・・・」

食い下がるキラに
ユイは仕方なしに口をあける。



「・・・・・・・今日・・・・じゃない?」

頬を少し染めてぼそぼそと呟く
にキラは眉を顰める。

「・・・何が?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キラ・・・・
あんた、それでも親友?」


瞳を半眼にさせて言う

ぽんっと手を叩き、キラはオートドックスな
リアクションをする。


浮んできたのは、

自分の親友兼幼馴染の蒼い髪の青年の事である。


「そっか・・・・!!アスランの誕生日!」

成程!
このカタログの数々はアスランへの
プレゼント探しかぁ・・・・・。



「・・・・・その様子だと・・・・
忘れてたわね?」


その言葉にぎくっと
キラは肩を震わす。


「い、いやぁ〜ほらっ!戦争始まっちゃって
忙しかったし!!それに停戦とかでも・・・色々・・・・・」

と、ごにょごにょと言い訳をする
キラに対し、はしれっとした感じで、


「まぁ?いんじゃない?
男同士で誕生日覚えてて、プレゼント交換なんて・・・ねぇ・・・・?」


「いや!ちょっと待って!じゃあ、今さっきの
責める口調は一体・・・!?」


「いや、別に構わないのよ?
ただ・・・なんっつーの??アスキラってか・・・・・」

「あ〜あ〜あ〜あ〜・・・聞きたくない聞きたくないっっ!!!」


延々と始まるであろう
の危なげな妄想話にキラは経験と言うアイテムを使って
食い止める。


は、語りを止められて
少し頬を膨らませるが、

アスランへのプレゼント探しという
本題を思い出し、

カタログをまたぱらぱらとめくりだす。


なかなか真剣な
キラは意外そうにじぃ〜っと見詰める。


「・・・・・・なによ?」


あまりの熱視線に
はカタログから目を上げる。


「・・・・・いや・・・真剣だなぁ・・・と。」

「悪い?」

「え!?い・・・いや!そこまでは言ってないよ!
ただ・・・・とアスランてそんなに仲良かったかなぁ・・・・って。」


と、キラは頬をつきながら
ぼけぇ・・・・とそんな事を言う。

確かに、僕と同じ時にこのアークエンジェルに
乗ったから・・・まぁ・・・
アスランとは・・知り合い以上だろうけど。

でも、もアスランも異性に
自分から気軽に声掛けられるタイプじゃないから
進展しなかった・・・という方が正しいけど。

・・・・・っていうか
アスランはともかくとして、
の態度がアスランにちょっと冷たかった?・・・・
というか・・・・



「仲良くないよ。」

「へっ?」

唐突に返答されたの言葉に
キラは素っ頓狂な声を上げる。

ここまで・・・
すっぱり言われるとアスランもかわいそうだな・・・。

キラが見る限り
あの自分の奥手な幼馴染は
少なからずの事を気にしている。



「・・・・じゃあ・・・なんであげるのさ?」

まさか・・・
何か毒でも・・・?

暗殺・・・?

アスラン・・・ああしてるけど
結構いいとこの坊ちゃんで、お父さん経由で恨みとか・・・


いやいやいや・・・に限って・・・・

とキラはふと浮んだ自分の考えを
必死で消す。


しかし、次に飛んでくるの言葉は
その考えさえも及ばないほどキラに度肝を抜かせた。



「そりゃあ・・・・」

はカタログをパタンと閉め・・・・・


にしては珍しい愛らしい微笑を浮べて・・・・


「アスランのこと超大好きだからよ。」






                                
ねくすとっ


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アスラン誕生記念の短期集中連載です。

ここらへんでいっちょアスラン好きをアピールしなきゃ・・と
立ち上げました。ハイ、また無謀な企画ッス(‐△‐)

だって、このサイトキラに侵食されてるんだもん(笑





    2005.10.29vvv     惶月 奏(おうづきかなで)