LOVABLE MY BOY〜4









アスランが様々な
カタログを見つめる中、唐突にが口を開く。



「選んでください。」

「へ?」


アスランは素っ頓狂な声を上げる。
そりゃそうだろう・・・・。

彼女の言葉は
主語がなく、述語だけなのだから。



「・・・いや、あの、本当は私が選べれば
よかったんですけど・・・・どうせあげるなら喜ぶものを・・と思い・・・・。」

と言葉だけ聞けば
の思考はわかるが・・・・


「・・・・・?・・・何故、君が俺に何かをくれるんだ?」

その理由がわからない。


「!」

その瞬間、の顔が歪む。



何よ・・・それ・・・っ

ほぼ無関係と言ってもいい私がアスランの
誕生日を祝ってもいけないわけ!?

神様に感謝したり、贈り物したり・・・・
それさえも迷惑って訳っっ!?

そりゃあっ
あんまり親しくない女の子にこんな事されても
キモいだけかもしれませんがねぇっ!

私はコレでもかなり勇気使ったんだからっっっ!!!!




・・・・?」

急に黙って睨むような泣きそうな
顔になったにアスランはやや焦る。


「すみません、差し出がましい事をしました。
失礼します。」

とアスランの手から大量のカタログを
やや奪い取り、すくっと立ち上がる。


「え?・・・えっ!?・・・・ちょっ・・・・!?」

それに慌ててアスランも
立ち上がりの腕を握る。

その反動で、カタログが
腕からすり落ちる。


「あ・・・・っごめんっ・・つい・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

しかし、謝っても反応が無く、
何かを押し殺したような表情の

アスランもほとほと困ってしまう。



俺は、また何かを言ってしまったのか・・・?
だが、何故怒っているのか解らない。


折角、が今日、自分に
会いにきてくれたのだ。

此の侭、帰したりはしたくない、

・・・・・・・・・・・・・・出来ない。




「・・・・・・、何か失礼な事を言ってしまったのなら
謝る。だけど、ちゃんと言ってくれないと俺だって解らない。」

と苦し紛れにアスランはに言う。



「・・・・解りました。」

何かを諦めたように
はすとんっと座る。

それに合わせて、カタログを拾い集めながら
アスランも座る。


「ですが、言えと言われても
カタログから選んでほしい、というので全部ですよ。」

やや眉を顰めて言うに、
アスランは少し考え、

「うん、用件は解るよ。だから、どうして
俺に選ばせて、それを俺にくれるんだ?」

本当に不思議そうに言う
アスランには更に眉を顰める。

「それ・・・・嫌味で言ってます・・・?
私のことが嫌いならそう言ってもらって構いませんよ?」

「いや、だからっ!本当に解らないんだってば!」

食い下がるアスランに
ははぁ・・・っと溜息をつき・・・・


「・・・・今日はアスランの誕生日でしょう?」

「うん。」

「・・・・・いや、頷かれも困るんですけど・・・・・」

「え?・・あ・・・そうだな・・・・って・・・えぇっ!?」

アスランはやっと言葉を理解できたようで
急に驚きだす。

それには瞳を半眼にさせる。



「何ですか・・・?もしかして忘れてたとか・・・?」

アスランならば在りかねないことに
はほとほと呆れたような表情になる。


「いや・・・覚えてた・・けど・・・っ」



まさか・・・が知っているなんて・・・

いや、それどころか、
プレゼントをくれるなんて・・・・・・。


「・・・・・どうして・・・・」

そう言わずにはいられなかった。

俺は、に嫌われてると
思ってたから。

いや、思ってる・・・と言った方が
正しいか・・・・。


「・・・・・迷惑でしたか?」

「いやっ!そうじゃないんだっ!
それは在りえない!!嬉しいよ!」

必死で弁解をするアスランに

は一瞬訝しげな顔をするが
急にぱぁっと顔を輝かせる。


「そうですか!・・・・あぁ・・・よかったっ!」

と手を合わせて安堵する
アスランは思わず固まる。

だって、彼女のこんな顔見たこと無かったから。

・・・いや、違うな。

見たことはあった。

だけど、それはキラと話しているときとか
ラクスやカガリ・・・・俺以外と話しているときだった。

そう、こんな表情させたこと無かった。

それどころか、笑わせたことさえ
無かった気がする。

は普通に人と話しているときは
初めて会った人でも
気さくに冗談を交えながら話しているのに、


俺と話してるときは眉を潜めたり、
素っ気無かったりで、
機械的に必要最低限のことしか話さなかったから・・・・


俺との会話は、
友人レベル・・・でさえなかった気がする。

なんか俺だけ敬語だし・・・・
(キラなんかタメ口以下っつか・・素っていうか・・・)


そんな彼女が・・・・・

意図は解らない・・・・。

だけど・・・・・・





「・・・・・・これ・・・なんでも
好きなもの選んでいいんだよな?」

急にアスランは
問い掛ける。

それにはまた
ぱぁっと顔を輝かせて

「はいっっvvなんでもどうぞっvv」

と嬉しそうにカタログを
差し出してくる



「・・・・カタログに在るのしか駄目なのか?」

「え?」

アスランの言葉に
はやや困ったようにカタログを眺める。

コレだけあらゆるジャンルのものを
そろえたのだ。

それに、カタログにしたのには
訳があって、この宇宙空間であっても
配達してくれる。

それなのに・・・?


「・・・・・いえ、何でもいいですよ。
ですが、あまりに高いものはちょっと・・・・」

とアスランがお坊ちゃんという事を
思い出し、言いにくそうには呟く。

もちろん、予算はあるから
パソコンレベルは買えるけども
お屋敷・・・とか言われたらどうしよう!?


「いや、一円もかからない。」

「?・・・・一円も?」

「あぁ・・・それなら何でもいいんだな?」

「あ・・・それはそうですけど・・・・ですけど私に出来る事に
限りますよ・・・?」

「・・・・もちろんだ。にしか出来ない。」

「私にしか・・・?」

「絶対にくれるよな?」


その言葉には引っ掛かりを
感じるが、すぐに

「それは任せてくださいっ!私は嘘はつきませんっっ!」

と豪語してしまった。

まぁ・・・嘘と曲がった事が嫌いで
はっきりとしている彼女だから仕方ない・・
といえばそうなのだが・・・・・・

しかし、その言葉のせいで彼女は
かなりの後悔に襲われることになる。



「そう・・・・・」

魅力的ではあるが何故か含むもののある・・・・
アスランぽくない微笑みにはぞくっとするが


もう、それは後の祭り・・・というものだった・・・・。





「じゃあ・・・が欲しい。」






                                
ねくすとっ



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・


きゃぁ////

と一応照れてみる。(死)

ぃやぁ////大胆ですねぇ・・(書いた本人が何言うか)

さぁ・・・どう持って行きましょうかねぇ・・・・
裏ページを作る事体だけは避けたいですけども・・・(汗)



       2005.10.31     惶月 奏(おうづきかなで)