生まれて初めての
高級店での
・・・・一応デート?
とりあえず、男の子と
一緒にどこかへ行くなんて
初めての体験だったわけですよ!
しかも、相手は超絶美少女・・
じゃなくて、超絶美少年!
一代一回限りの私の
シンデレラ・セレモニーな訳ですよ!
なのに・・・
なのに・・・・・
私のロマンスをどこまで
邪魔すれば気が済むんだ!!
アスラン・ザラ!!
ブロッサム。
―第5話
気まずい。
気 ま ず い 。
食入るように私達を
見詰めるアスラン(顔が怖い。)
そして、アスランに反抗する習性もちの会長。
(こちらも意味が解らず顔が怖い。)
んで、波乱の原因、謎の美少年。
(面白そうに二人を見ている。)
ってか、ここに
その美少年連れて来るんかい!
だって、アスランは最初は『デートに行かない?』
って私をここに誘ったのよ?
何?そんなの言いまくってるわけ?
ってか、その日にその美少年と二人で来るって
どういうこと?
ってか、その美少年と
本当に関係あんのか!おらぁっ!!
私は意味が解らず、
かなりむかついた。
「ザ・・ザラ様?こちらで
ございますが・・・・」
アスランたちを誘導していた
ウェイターはこの状況に困った顔をしている。
「・・・・・」
しかし、当のアスランは
聴こえているのか、いないのか、
こちらを見たままで何も言わない。
それに、謎の美少年は
「あ。すみません。
僕たち・・・あの方達と相席させていただきますから。」
と、しれっと爆弾発言を言った。
「「「!?」」」
「で、ですが・・・っ!
あの方は・・・っ!」
ウェイターは明らかに
困惑している。
そりゃそうだろう。
この店のオーナーの親分の
息子から釘刺されてるんだから。
「ね、アスラン?」
謎の美少年が、アスランに
そう促すと、アスランは、
一瞬、私達から目を離し・・・
「あぁ。そうさせてもらう。」
とだけ、ウェイターに告げ、
私達のテーブルまでアスランは足を向ける。
そして、
がたん・・と
二人は私達のテーブルに座った。
アスランは会長の隣に
(私を睨む為だろう。)
あの忌々しい転校生は
私の隣に。
「おい。」
そして、開口一番に口を開いたのは、
先程までとは、うって変わった不機嫌なイザークだった。
「誰が座って良いと言った。」
しかし、そんな事で
アスランが怯むわけもなく・・・・
「何故、お前の許可が必要なんだ?」
とを睨み付けたまま
淡々と紡いだ。
「・・・・・・っっ!」
やばい。
会長の導火線に火がついたら
止めるのには苦労する。
しかも、こんなセレブリティな所で
ジュール家の子息がキレたりしたら・・・
庶民の私でも解る。
ジュール家に迷惑がかかるだろう。
(どうせ、金で揉消すだろうが。)
しかも、今回はアスランが
全面的に悪いし、論理も通っていない。
人のテーブルに勝手に
座ったのだから。
「か・会長!お・・落ち着きましょう!
ね?ねっ!?」
は何とかイザークを沈めようと、
なるだけ笑顔でイザークを促す。
そんなの努力あってか
イザークの爆発は多少は留められたようで・・・
今は、眉間の皺が
濃くなっただけで抑えられた。
それに、はほっと
溜息をつく。
だいぶ、もイザークの操り方が
上手くなったものだ。
そんな二人の様子に
アスランはさらに機嫌を悪くしたようで
への睨みをさらに効かせてくる。
もちろん、は窓の外をみたり、
イザークを見たり・・・
と絶対にアスランと目を合わせようと
しない。
それがアスランの苛立ちを
ヒートアップさせているのだ。
「・・・何故、お前がここにいるんだ。」
静かに問われた
アスランの言葉に
はアスランを一瞥し・・・・
無視したかったが、
またイザークの導火線を点けられても
迷惑極まりないので、
仕方なく答える。
「・・・・・・・・・ケーキが食べたかったからよ。」
かなり、ひねくれた答えだったが。
もちろん、それはアスランの
得たかった答えではなく・・・・
「ッ!」
びくっ
アスランの怒声には
流石のも体を強張らせた。
それには、謎の美少年も
イザークも驚き、不満げであり・・・
「おい。怒鳴る事ないだろう。
だいたい、お前は何をかっかしている?」
「そうだよ、アスラン。
人に怒鳴るなんて・・・しかも女の子になんて・・・
君らしくないよ。」
「・・・・・・・・・・」
二人のコンボには
流石のアスランも我を取り戻したようであり・・・・
「・・・・悪い・・・。」
決まりの悪い顔をして
誰とも知らず謝った。
それに、は『ふぅー・・・』
と溜息を吐き、
「私、アスランともう口聞かないって
言ったでしょ?だから・・・」
そのセリフには、アスランの表情も5割り増し
険しくなり・・・・・
「俺はそんなの了承していない。」
「ちょっと、アスラン。
人の話は最後まで聞こうよ。」
謎の美少年の諌める様な
口ぶりにアスランも唇を噛み締める。
ナンですか・・。
この・・・謎の美少年と
アスランの親密な様子は・・・。
しかも、あの腹黒大王のアスランが
彼の言うことなら聞いている。
この二人、マジにデキてるんですかね。
「・・・・・・・・私なりにけじめを付けたかっただけよ。
だから、会長に頼んでつれてきてもらったの。」
「・・・けじめって?」
そう尋ねてきたのは
謎の美少年だった。
だが、アスランはもちろん、
会長も興味津々と言う感じで私を見ている。
それもそうだろう。会長は訳も解らず、
連れてきた本人なのだから。
「・・・・自分でもよく解らないんだけど・・・
・・・未練を残したくなかったのかも。」
そのの言葉には
三者それぞれの驚きの表情を浮かべる。
「何・・って
アスランの事好きだったの・・!?」
謎の美少年は
紫の瞳を丸めてを見詰める。
そのあどけない表情には、謎の美少年を
嫌煙していたも・・・
(か・・可愛い・・・ッvv・・・・これならアスランが
手を出したい気も解るわ・・。)
とかとかフザケタことを
思ってはいたが、
おっと。
今は彼の問題発言を諌めるべきかしら?
「違うよ。・・・ってか、なんで
名前知ってるの?しかも何故、驚愕?」
そうだ。名前を知っているのも
そうだが。
それ以上に、
何故驚愕する必要があるのよ?
彼は少なからず、
私がアスランに好意を寄せている
と思っていたはずだ。
・・・・自分で言うのもなんだけど、
今日の教室での私は『夫を愛人に奪われた妻』
だったから。
「ん〜?だって、””のことは、アスランに
前々から聞いてたし・・。
なんか・・・話によると・・脈なしっぽかったから。」
「っ!キラ!脈なしってどういうことだ!!」
そこで、怒るアスラン。
そんなアスランを我関せず・・・
という風に謎の美少年は無視している。
なんだか・・・この二人の関係が
掴めなくなってきたわ・・・。
「で?未練って事は
アスランの事少しは好きだったの?」
その”キラ”と呼ばれた
美少年の爆弾発言にイザークもアスランもまた
に注目する。
アスランはキラの”少しは”に
少々反感を持ったらしく、眉を顰めたが。
「だから、違うって。
未練ってのはケーキへの未練。」
「「「けぇーきぃ!?」」」
しれっと当然のように言い放った
に三人は声を揃えた。
それにユイはこくりと頷く。
「そう。アスランが言っていたケーキ屋さんが
気になってたら、聞きたくなっちゃうかもだし。」
それって、決意を鈍らせちゃうでしょ?
と首を傾けるに
一同脱力したとか、していないとか。
「あー・・・なんか、アスランが
手こずる訳が解った気がするよ・・・」
と呟いたキラに
ひたすら首を捻る。
その姿に、アスランはこっそり
溜息を吐いた。
ねくすとすとぉりぃっ→
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おかしいなぁ・・・
この小説『黒アス』をコンセプトに
書き始めた気がするのに、
今や、見る影もない・・という・・・(汗
2007/02/27
更新日 2007/10/2 惶月 奏(おうづきかなで)