自分で言うのもなんですが、

私はバリバリ"普通"の範囲に
入ると思うんです。

そして恋をしたいって
憧れるのも普通でしょう?


どうよ?

この状況。

もう、恋愛なんていいかな・・・なぁんて
枯れてる自分が悲しいんですけど。













ム。
             ―第7話














ぱくぱくぱくぱくっ

無言で大量のスイーツを
食べ続けるを遠目に、

美少年三人衆は部屋の隅っこで
安堵の溜息を吐いた。


あの後、店内が収拾のつかない事体になり、
イザークが個室を用意するよう
店の者に、はからったのだ。


「・・・・よかった・・・。
、落ち着いたみたいだね。」

「・・・あぁ。ったく、ビックリ箱みたいな
ヤツだな。」

「・・・・・・・・・」


こそこそと囁きあわれる会話。

意外にもキラとイザークは
衝突もなしに、ここまできている。

もちろん、共通の非難する相手がいる
からではあるが。

くるっ

二人は同時にアスランのほうへと
体をむけ口を開く。


「ったく!人目くらいはばかったらどうだ!?
ザラ家も堕ちたもんだな。」

「そうだよ!アスランが甲斐性がないから
が本気にしてくれないんだろ!?」


「「・・・・って・・・」」

い な い し !!!


アスランは、彼らの嫌味など受ける気もなく
彼らを総無視し、

に弁解すべく、彼女の隣に
座っていた。


!いいか!?俺とキラはなんでもないっっ!!
ってか、あってたまるかっっ!!」

ぱくぱくぱくぱく。

「ちょっ・・・聞いてるか!?」

ぱくぱくぱくぱく。

!!!」

いつまでも話を聞いてくれない
に痺れを切らしたのか、

が持っているフォークをとる。


それには眉を顰め、
睨みつけた。


「ばか」

は忌々しい、とばかりに
一言もらす。

それには言われ慣れていない
アスランはかちんとくるが・・・

「っ!?『ばか』!?ちょっ!!
酷くないか!?ってか、そのセリフ可愛いぞ!?
・・・いや、今はそれはいい。とりあえず、話を聞け!!」

アスランは中々ご乱心のようで
言葉の中に洗練さがない。

それには、も埒が明かないと
理解したのか、はぁ。と一つ溜息を吐き、

視線をアスランへと
照準をあわせる。

「・・・・解った。聞く。
だけど・・・嘘は嫌だよ。」

そののしぶしぶのセリフにも
アスランはぱぁっと顔を輝かせた。

「あぁ!もちろんだ!」

がたっ

アスランは椅子を
方へとむけ、座りなおした。


そして一つ、すぅーっと息を吸うと
気合をいれ、のほうに視線をやる。


「キラはただの幼馴染で、あの言動は
俺をからかっただけなんだ。」

「からかう?」


このど黒いアスランを
・・・か?

の復唱された言葉に
アスランは溜息を吐いた。

「・・・・あぁ・・・。キラは基本的に我侭で・・・
とにかく俺の困った顔を見るのが目的なんだ。」


・・・・相当性格悪いわね。


「ちょっと〜、アスラン!!
人聞きの悪い事言わないでくれる?」

ひょこっとアスランの背中から
キラが顔を出す。


、信じちゃ駄目だからね!?」

「キラ、ちょっとあっちに・・・」


「キラ君。」

「は・・はいっ!」

アスランの言葉を遮り、鋭い視線で一言言い放った
にキラは体を硬直させる。


「ちょっと黙っててくれる?
てか、席外してくれると嬉しいんだけど。」

「「!!」」


らしからぬセリフと表情に
アスランとキラは瞳を丸くさせた。

キラのほうは、どこかショックを
受けた感じだ。


・・・まさか・・・教室のこと・・・
怒って・・・?」

キラは紫の瞳を揺らしながら
恐る恐るに尋ねる。

それにはにっこりと笑い、


「当然でしょう。アスランにイタズラするならまだしも・・
あれは私も標的に入ってたでしょう?」

「・・・・っご・・・ごめ・・・」

の禍々しいオーラに
表情を青くしキラは謝るが・・・


「とりあえず、私はアスランをさっさと片付けたいから
席外していただけるかしら?」

「片付けるって・・・!!」

のセリフにキラだけでなく、
アスランも多大なダメージを受ける。

しかし、そんなものは気にも留めず
席を立ち、キラの背中を押す。

「さっ。出て行ってください。
・・・会長。」

キラをドアの所まで押しやった後、
壁にもたれて傍観していたイザークの前で
足を止める。

それにイザークはふっと笑い、


「俺にも出て行け・・か?」

そんなイザークのセリフに、はくすっと
笑い、イザークに視線を返す。


「・・・・・まさか。会長はどちらでも構いません。
・・・ですが、時間がかかりそうですし、
これ以上ご迷惑は掛けられないです。」

、・・・目が据わってるぞ・・。」

どこかキレてしまった
いつもの10倍くらい堂々としており、

”無敵”の言葉がぴたっとあった。


それにはイザークも、キラやアスランよりも
自分は好意を向けられていようとも、

恐ろしさを感じずには居られなかった。


「そうですか?・・・むっとしてるのかも。
アスランたちが乱入するまでは楽しかったのに。」

そう言って眉を顰める
は普段のであり、

イザークは安堵の笑みをつくり、
重心を足にかけ壁から体を起した。


「・・・・あぁ。俺も楽しかった。
こんな店ならいつでも連れてきてやる。」

「・・・・・・期待してます。」

そんなイザークの男前なセリフに
も笑い返した。

しかし、そんな二人を見過ごせない
約一名がその部屋におり、

「・・・・・・・」

物凄い形相でイザークを
睨みつけているアスラン。

黙っているのは、の逆鱗に
触れる事が解りにわかっているからだろう。

そんなアスランにイザークは嘲るように
一瞥し、


「・・・・、今日は帰る。」

「はい。今日はありがとうございました。」


はぺこっとお辞儀した。

イザークはそれを見届けると、
軽やかに出て行った。





はアスランと自分以外誰も居なくなった
部屋でふっと一つ溜息を吐き、


「・・・・・さぁ、アスラン。
最終決戦と行きましょうか。」


にっこりと満面の笑みで
言い放ったは、

アスラン曰く、
(・・・・可愛い)のだけれど、


それ以上に恐ろしさを感じさせる
ものであり。


しかし・・・そんな事で諦めるようなアスランは
アスラン・ザラではなく・・・・

アスランも
不敵な笑いを浮かべる。


「・・・・望む所だ。
まぁ、”最終”にする気はないけど?」












     ねくすとすとぉりぃっ→


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だぁーーー!
この回は中々苦心作です・・!

進まない・・・っ

だけど、とりあえず、
ここから動き出せるとは・・・
思われ・・る?(おい)


      2007/09/11 
 更新日 2007/11/07  惶月 奏(おうづきかなで)