私は、ただ青い春を満喫したいだけなの。
そんな皆が憧れているような
学園の王子様とのサクセス・ラブストーリー
なんて望んでないわ!
そう、少女マンガの展開なんて
私には無用の長物なのよ!!
自分の好きになった人に
好きになってもらって・・・・
色々な困難を二人で乗り越えたり、
支えあったり、デートしたり・・・
時々、甘い言葉を囁かれたり・・・。
そんな甘く平凡な日々を望んでいるだけなの!!
なのに・・・
なのに・・・・・・
神様!私の人生、弄び過ぎです!!
ブロッサム。
―第2話
「会いたかった・・・っvアスランッッvvv」
がしっ
その少年は瞳一杯に
涙を浮かべて、アスランに抱きつく。
その瞬間、教室全体が
凍った。
珍しくあのアスランも
見事にフリーズしてしまっている。
なので、半分フリーズしていない
私、・が事の成り行きを
回想します。
事の起こりは、つい10分前だ。
私達のクラスは
いつも以上に浮き足立っていた。
その原因は、”転校生”が
くること、である。
その転校生が男子と
どこぞの誰が伝達した途端、
このクラスの女子のオーラが
ピンク色に染まった。
しかし、そんな事どうでも
いいとばかりに、私の隣の席の男・・・
アスラン・ザラは、
私にしきりに話しかけてくる。
「、今日こそ返事聞かせてよ。
ま。聞かなくても解ってるんだけどv」
「・・・・・」
「そんなに照れなくていいのにv
本当可愛いなv」
お前誰やねん!
は毎日繰り返される言葉に
毎日同じつっこみを心の中で繰り返す。
しかし口を開けば最後、
アスランの思う壺なので
(彼の目的はあくまで私の注意を
自分に向かせる事なのだ。)
無視が一番と決め込み、
私は文庫本を黙々と読み進めた。
「今日、デートしない?
中央通に新しいケーキショップが出来てたんだ。」
ぴくっ
それには流石のも
耳が動く。
なんせ、は甘いものが
大好きなのだ。
もちろん、この男は
リサーチ済みである。
は屈してたまるか、とばかりに
自分の欲望を抑える。
(あ、後で友達に聞けばいい話しだもん!
新しいお店なら知ってるだろうし!!)
と、は自分を説得するが、
「実はさ、そこ会員制で。」
ぴくっ
どうやらアスランはの
考える事などお見通しのようで。
「普通の客は入れないから、普通の人は
知らないんだ。」
ぴくっ
の関心度が高まっている
のを感じたアスランは心の中で
ガッツポーズをしつつ・・・・
言葉をヒートアップさせる。
「そこさ、やっぱり会員制なだけに、
一流のパティシエがそろってて・・・
オリジナルの菓子も豊富で・・・・・」
ぴくぴくっ
「そこ、ザラ家がお得意だから
何でも食べさせてくれるんだ。」
(これだから金持ちはっっ!!)
と悪態をつきつつ・・・
の鋼の心は
諸刃の剣だった。
それを見極めたアスランは、
最終打撃をうつ。
「どう?。もちろん
俺のおごりだよ。」
ずがーーーーーーーーんっっっ!!!!
「・・・・・で・・・でも・・・わ・・悪いし・・・っ」
思わずは
声に出してしまう。
無視の壁をついに壊してしまったのだ。
それにアスランは
にやりと獲物を捕まえたかのような・・・
いや、優雅に微笑み・・・
「の時間をもらえるんだから
当然だろう?」
十人中十人が卒倒するような
笑顔と言葉を惜しみもなく降り注ぐ。
それには、も
心が動くが・・・
相手はアスラン・ザラ。
そのお店に個室なんぞ
あれば、身の危険がないとも
言い切れない・・・。(前科一件)
とりあえず、
二人きりは駄目だ・・・・っ
じゃあ・・・
「・・・・・・か・・会長とか・・誘ったり・・・」
「ん?」
その時の彼の輝かしいばかりの
笑顔は一生忘れられないと思う。
「し・・・失言でした・・・」
私がぎこちなく彼から
目を離したとき、
あの事件のカウントダウンは
始まっていたのだった。
がらっ
「こら!チャイム鳴ってるぞー!
そこ、席に着きなさい!」
そんな毎日恒例のセリフと共に
我が担任の先生が入ってきた。
しかし、やはり転校生が来るからだろうか。
どこかそわそわしていた。
そして、先生の後ろにいた
転校生だろう、少年を見た瞬間、
クラスの人々の
雑談が一気にやんだ。
その少年の顔が
期待はずれだとか、不細工だとか・・・
暴走族系ヤンキーだったとか・・・
そんなのではない。
言うなれば・・・
桁違いに期待以上だったのだ。
さらさらの茶色髪を揺らし、
明るい紫水晶のような瞳を細めて
微笑んでいるその姿は・・・・
女の子顔負けのとてつもない
美少年だった。
かといって、体系は少々華奢だが、
申し分のない体系であり・・
すらりと背筋も伸び、
制服も見事なくらいに着こないしている。
アスランとはタイプが違うが、
もしかしたら、アスラン以上に”王子様タイプ”
かもしれない。
その瞬間、クラスの女子たちの
期待は上りに上ったに違いないのだ。
だが、しかし、
それは次の瞬間崩れ去る事になる。
その少年が私の隣のアスランに瞳を
滑らせた瞬間・・・・
「会いたかった・・・っvアスランッッvvv」
がしっ
その少年は瞳一杯に
涙を浮かべて、アスランに抱きついたのだ。
はい、回想終り。
誰よりも早く我に返った
は、
固まっている隣のアスランに
半眼の視線を投げかける。
「・・・・・・・なぁんだ。いるんじゃない。
”恋人”。」
「!!!!!!」
そのの言葉で、凍っていたアスランは
一気に解凍されたらしく・・・・
「ちがっ!違うんだ!!!!
これにはワケが・・・・っっ」
アスランは焦って、その美少年を
自分から剥ぎ取ろうとするが・・・・
彼は見かけによらず、
力が強いらしく、未だくっついたままだ。
そして、ひたすらに混乱しきった
言い訳を口走るアスランをよそ目に、
その美少年は、アスランにくっついたまま、
を上目遣いで見詰め・・・・
「なぁに?この人・・・・。
まさか、アスランの恋人?」
と、すんげぇプリティフェイスで
言って来る彼・・・・。
そして次の瞬間の、
『そんな訳ないよね。』的な馬鹿にした笑顔・・・・・。
くっ・・・・!!
はその様子に拳を握り締める。
断っておくが、
自分はアスランの恋人でもなんでもない。
私が悔しがる道理なんてない。
なのに・・・なんだろう・・・・。
この・・・・
自分より、若く可愛らしい愛人と
対峙した妻の気分は!!
桜サク。春。
波乱の火蓋は静かに
切られたのだった。
ねくすとすとぉりぃっ→
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キラ様登場!
いやぁ〜・・・アスラン連載の
ラスボスと言ったら彼しかいないでしょう!(笑)
キラ様の光にアスランが隠れないように
頑張りマス。(おい、待てコラ)
*注 管理人は宇宙で一番アスランを愛しています。
2007/02/26
更新日 2007/08/23 惶月 奏(おうづきかなで)