『愛されるよりも愛したいv』
なぁんて言葉は私の辞書にはありません!
女は愛されてなんぼ。
・・・・・・・・・だと思いません?
彼と私のス・キャ・ン・ダ・ルv
【前編】
「〜〜〜〜〜vv」
朝っぱらから無駄に
甘い甘い甘い甘いウザいウザいウザい・・・
あれ?
途中から本音が出たような・・。
まぁ、いいや。
とりあえず、そんな声を出しながら
満面の笑みで私に近づいてくるヤツ。
・・・・もとい、アスラン・ザラ。
そして・・・もとい、私の恋人である。
「おはようv今日も可愛いね。」
ぎゅっv
ちゅっv
・・・・・・・・・・それがこいつの日課だ。
・・なんて悪趣味なんだ!!!
・・・と思うが、こう・・・日常化すると、
怒るのさえ、めんどくさくなる。
というか、アスランのこんな面を
知っているのは、私と・・同僚達・・くらいだろう。
「そりゃ、ど〜も。」
一応、応対しながら
アスランの胸を押し返す。
しかし、この野郎は
離そうとせず、腕に力を入れてくる。
あぁ・・・本当・・・うざい。
言っておくが、私はこんなアスランに
OKをしたわけではない。
恋人になる前は、
本当・・・真面目で、何でも出来て・・・
クールで・・・と、
私のタイプどおりだったのよ!!
・・・・・・・・・・なのに・・・。
公衆面前で・・堂々と
毎朝抱き締めてくる彼・・・・。
詐欺が・・・!!!
「うわぁ〜・・・今日も頑張ってますね〜」
と少々苦笑いし、少々私を哀れむように
通り過ぎていく、ニコルン。
・・・・いやいや!
助けてよ!!
君、この隊で唯一まともなんだから!!
「まぁ、まともですけど・・・
めんどくさい事には関わりたくないんで。」
とさわやか〜な笑顔で、微笑む。
・・・・・・・・心読んだ!?
しかも逆際!?
・・・・・っつか、その時点でニコルン、
まともじゃねーよ!!!
と・・・私は朝から疲れる
状況にいるわけです。
「ねぇ・・・アスラン?離れてくんない?」
「無理。」
「離れろっっ!!!!」
優しくしてやりゃあ、調子に乗りやがって!!
とばかりに、私は
アスランを押し返すが、やはり
アカデミー歴代一位には
適いません。
「〜〜っ!!なんでは冷たいんだ!?
少しくらいいいだろ!?」
「少しくらい!?・・あんたは四六時中じゃないか!!」
「なっ!?今だって、八時間ぶりの再会じゃないか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
八時間ぶりって・・・・私の睡眠時間じゃ
ないのさ(涙)
「はぁ・・・もう・・・どうぞ・・・。」
と、最終的にはこうなる。
しかし、この私の言葉を聞くと、
いつもアスランは嬉しそうに笑顔になるから・・・
許しちゃうんだよね。
結局。
きゅぅ〜〜って
目を閉じて私を抱き締めている
彼は、彼女の欲目かも知れないけど・・
超!
超かわいい!!!!!
そこらへんの男には
負けないわ!!!(基準がおかしい)
・・・とか思っている私も
結構重症かな。
「アスラン。」
「離さないぞ。」
「・・・・・・・じゃなくて。」
「じゃあ・・なんだ・・・」
アスランは頭をあげた
瞬間に止まる。
可愛い〜〜vv
ただ、頬にちゅっって
しただけなのにvvv
真っ赤になっちゃってvv
「!?」
「ごめん・・いやだった?」
そんな事、あり得ない、と
解っているくせに聞く私。
・・・・・・・・・おーほほほほ!
どうせ、私はどSなのよ!!(意味が解らない)
そうすると、この可愛い恋人ちゃんは
更に顔を赤くして私に詰め寄る。
「なっ!?・・・そんな事あるわけないじゃないか!!
・・嬉しいよ!凄く!!・・・。もう一回・・・」
ぺしっ!
は軽く、アスランのおでこをたたく。
「調子に乗らない。」
飴もほどほどに。
・・・・が私の教育方針なんで。
の愛情表現はあれだが、
どっちにしろ、ベタ惚れなのは、
艦内では、有名な話だった。
”バカップル”それが彼らの
周りから見た目だった。
・・・・・・が。
そんなバカップルな二人に
今回最大級の危機が迫っていた。
アスランとは手を繋ぎながら(アスランから一方的に)
仲良く食堂に入ると・・・
「あっ・・・・・・・アスラン・・・」
「「?」」
艦内が途端に静まる。
それどころか、そこに居た
二コルや、ディアッカ・・・イザークまで
複雑な顔をしている。
それに、アスランとは
顔を見合わせるが・・・・
原因は、すんなりわかった。
≪今日、ザラ評議員の御息子と、クライン議長の御息女の
婚姻が公に発表されました。政界からも注目されるカップルで・・・・・・≫
テレビから無常に流れる音。
その、瞬間食堂内の温度が
マイナスを超えた。
「・・・っ・・・・・・」
アスランは手を繋いでいる
彼女に目を移すが、彼女は
彼のことなど見もせずに、
テレビに見詰めている。
≪いやぁ〜・・美男美女でしょう?
・・・こりゃあ、お二方とも、孫の顔が楽しみでしょうね〜≫
とレポーターがいらぬ事を言う。
それにぴしっと
食堂内が氷漬けされた。
≪えぇ。まさにお似合いですよ〜≫
ともう一人のレポーターが相槌を打つ。
ぴしぴしっっ!
今や、食堂内の温度は
北極より下がっている。
それも、の性格を考えたら
当たり前だろう。
彼女は・・・
『酷いっっ!アスラン・・・!私とは遊びだったのね!!』
とか言って涙を浮かべるような
女ではない。
「・・・アスラン・・・」
「・・・っ・・・・はいいぃいっ」
の呼びかけに、
アスランは情けなくも上擦る。
しかし、彼女の事をよく知る
クルー達は誰もアスランを責めなかった。
「別れよっか。」
簡潔に、それも笑顔で言われた言葉に
周りの奴らはひぃっ!とばかりに
彼らから離れる。
「な!?・・・、俺は・・・っ」
「あと、慰謝料月額1億でいいから。」
にっこり笑顔で続けられる
言葉に、アスランも顔を青くする。
いや、別に金額がどうのこうの・・・
というわけではない。
これは・・完全に怒っている!!
下手をすれば、彼はの
ブラックリストに載ってしまうだろう。
彼女のブラックリストにのった奴らは、
つまり、嫌われた奴らであり・・・
何があっても、無視。
話しても、嫌味の応酬。
・・・・・・・好き嫌いが激しいだけに、
そこから回復をするのは本当に困難だ。
それを痛いほど、
解っているアスランは何とか取り繕う。
そう、アスランだって、
彼女と別れたいわけがない。
っていうか、無理だ!!!
彼女と別れるなんてことになったら
生きていけない!!
っつか、発狂する!!
・・・・というか、無断で公にしやがった
馬鹿親父!!!
覚えてろっっっ!!!!
とアスランは物凄いスピードで
暗殺計画を考えた。
「まぁ、それは、後日文書ででいいよ。
・・・じゃあね。」
ぶんっとアスランの手を
振り払い、朝食トレーをは取りに行く・・・・
「ちょっ・・・!」
無視っっ!!
時すで遅し。
彼の恐れていた事が起こってしまった。
彼女は、もう既に
彼をブラックリスト入りさせてしまっている。
さぁーーーっと
アスランの顔が青ざめる。
それを三人の同僚達は
哀れみを込めてみる。
「!!違うんだ!!俺・・こんなこと知らなくて・・・っっ
・・・いや、そんなの言い訳にならないよな・・・っ・・だけど・・・っっ」
そんな、ハリウッドのムービィもびっくりな
アスランの熱劇が繰り広げられる中、
完全無視なは、
さっさと、イザークの隣に座り、
朝食を食べだしていた。
それに、他のクルーは
彼女だけは怒らせるまい!!
・・・・と決意した。
「だけど・・・っ・・俺は・・を愛している・・・
愛しているんだ!!と・・別れることになったら・・・
俺・・生きていけない・・・っっ!!」
と、恋愛ドラマもびっくりな
セリフを食堂で繰り出す彼。
誰かがつっこんでもよさそうな
場面だが、
皆、アスランが哀れで
しかも、その言葉が真摯に迫っていたので
涙が流す者もさえいた。
すると、その言葉に
今まで、アスランと目も合わそうとしなかった
がアスランのほうを向いた。
それに、アスランはぱぁあっと
顔を輝かせる。
周りのクルー達も
アスランの喜びをたたえていたが・・・
ジャキッ!
冷たく、向けられる銃口。
そして・・・・
「じゃあ、死ね。」
と笑顔で紡がれた
言葉。
それには、あのイザークでさえ、
顔を青くした。
「・・!それは・・ちょっと・・・」
と、あの二コルも止めようとするが・・・・
「・・・・いいよ。・・・もし君と生きていけないのなら、
君に殺された方が幸せだ。」
と、アスランは儚く微笑む。
そんな彼に、流石のも
溜息を吐き・・・・
「・・・解ったわよ・・・じゃあ、アスランはこの婚約の事
・・・知らなかったのね?」
その言葉にアスランは
安堵の表情を浮かべる。
「・・っ・・あぁ!知らなかったん・・・」
≪この画像は、当局の記者が偶然入手したもので・・・・
仲睦まじく、写っているアスラン様とラクス様です。≫
≪いや〜・・・婚姻統制・・・とはいい・・・
本当に好き同士なんですね〜・・・≫
≪なんでも、初めて会ったのは14歳のとき
らしく・・・・・・≫
と無常に流れる追加放送・・・。
その画像には、にこやかにテラスで
お茶を飲んでいる二人が写っている。
これは・・どっから見ても
婚約者同士・・という感じである。
「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・っっ」」」」」」」」」」
これには、アスランだけではなく、
その場にいた全員が、息を呑んだ。
そして、視線は自然とへと・・・・
そして、の様子を見たものは、
驚きを隠せなくなる。
拳を強く握り・・・
肩を震わしていたのだ。
・・・・・・・・・あのが・・・
あのが泣いている!(何がいいたい。)
「しん・・じられないっ・・・!・・・私と・・付き合う前から・・っ
ラクス・・・・と・・・・!?」
「・・・・・・ッ・・・」
アスランは自分も泣きそうな顔を
しながら彼女に近づくが・・・・・・
ガシャンッ!!
ジャキッ!
銃が向けられ、しかも、引き金まで
引かれたので、
反射的に止まる。
そして・・あげた彼女の瞳には
泣いた後などなく・・・
あるのは怒りだけだった。
「・・・うそつき!何が『知らなかった』よ!!
私が浮気相手・・・ッ!?私が浮気とか・・そういうの・・
嫌いなの知ってて・・・!!!!」
はっきり言って、今のは怖い。
・・・というか何かが弾けてしまっている。
そう・・・今なら・・撃ちかねない。
「ちが・・・違う!!!が浮気相手・・・なんて!!!」
(((((((そんな命知らずな事できるわけがない!!!!)))))))
と彼らが思ったのを
は知らない。
「!とりあえず、落ち着け!!!」
隣にいたイザークが
銃と取り上げようとするが、
ぶんっと手を振り、
イザークをぶっ飛ばす。
それに、彼女の実力を見た気がした・・・。
「選べ、アスラン!・・・・このまま、私に殺されるか・・・
・・私の前から永遠に消えるか!!」
そう叫んだを見て、
アスラン以外は畏怖した。
そう、一生のトラウマとなるほどに。
しかし、アスランは違った。
の、本当は
悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて・・・・
本当は泣いてしまいたいというのが
解った。
痛いほど。
別に、自惚れとか・・・そういうんじゃない。
好きだから・・・本気で愛しているから。
なのに・・・解っているのに・・・
本当のの面をしっているのに・・・
傷つけてしまった。
傷つけてしまった。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・っ!・・その名を呼ぶな!!
あんたなんか大嫌いだ!!!」
は、そう叫ぶと
銃を投げ捨て、走り去った。
中編へおーるぐりーん!(意味解らん)
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めろどらま〜
めろどらま〜
珍しくめろどらま〜注意報でございます。
(電車の駅長さん調で)